NHK番組公式アプリ「誰でもプロフェッショナルになれる」と50万DL超え
NHKは、番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の放送開始10周年を機に、公式アプリ「プロフェッショナル 私の流儀」をリリースした。画面の指示にしたがうことで、あたかも『番組出演者のようなプロ』になったような映像ができあがるこのアプリは、提供開始から5日で30万ダウンロードを突破したほか、利用者の作品を募集したところ、投稿数はすでに1500件に達しているという。
まねられるほど需要があるなら、いっそ本家で
「『番組を知らない』と言う大学生にアプリで映像を作ってもらったら、スガ シカオが歌う主題歌の『Progress』が流れたとたん、『あ、知ってます』と言われたんです」と笑うのは、アプリ担当ディレクターの小国士朗氏。 2006年1月に放送を開始した「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、さまざまな分野のプロの仕事を紹介するドキュメンタリー番組。これまで、イチローや宮崎駿など300人近くのプロが登場した。広い層に受け入れられており、視聴者からは、「見応えがある」、「仕事の参考になる」など、評価の声が寄せられているという。 今回の公式アプリは、働く姿とインタビュー風景を撮影し、その人の流儀を文字入力すると、自動的にプロフェッショナル風映像ができあがる。 実際、アプリを体験してみたところ、映像の用意に少々手間取ったが、大体10分以内で約1分弱の映像が完成した。映像や文字原稿を前もって用意すれば、3分以内でも十分出来そうだ。「Progress」が流れる中、作成した映像を見るとなかなかプロっぽく様になっている。最後の「終」マークもニクい。 アプリの企画がスタートしたのは、2015年夏。それまでも、民放などで番組をまねた映像がたびたび使われていたことから、そこまで需要があるなら、いっそ本家の自分たちがプロ映像生成アプリを作ってしまおう、という話に発展した。TV離れが進むなか、若年層と接点が持てるツールを企画したいという狙いもあった。 できあがる動画の長さは、1分弱に抑えた。それ以上長いとプロ風映像の制作時間が長くなりユーザーが焦れると考えたため。その短い映像を、いかにして本物の番組の雰囲気に近づけるかも課題だった。経済・社会情報番組部のチーフ・プロデューサー・本間一成氏は「どうせなら、パロディーには真似のできないクオリティを目指したかったのです」と振り返る。苦心の末、番組のオープニングとエンディングを合わせた構成にすることで落ち着いた。