なんで自分だけ…他人と比べて悩む人に伝えたい「心が楽になる」思考法
● 他人の「よい部分」と比べるより 過去の自分と比べるほうがいい 病気を持っていると、誰しも一度は頭に思い浮かぶのが「どうしてほかの人には病気がないのに、自分には病気があるのだろう」という考えです。 誰かと自分を比べることは、本当に意味のないことですし、精神衛生上、よくないと思います。なぜなら、その人と自分の前提条件は違うのだから、仮に比較しても正確な勝ち負けなど出るわけがないからです。 「りんごとぶどうはどっちがおいしいか」と比較しても、個人の好みによって意見は分かれるのと同じです。 とはいえ、「他人と比べない」というルールを守るのはなかなか難しいものです。 学校や会社でもテストの点数やノルマの達成率などの数字で比較されることは多いですし、ライフステージの違いや働く会社の規模など、何かと差が見える部分が多いからです。 特に、現代は、SNSなどを通じて他の人の暮らしがとても見えやすいです。 しかし、SNSで披露されるのは、多くの場合は「よい部分」ばかりです。他人の優れている部分を見ると、自分の劣っている部分が余計にはっきりと見えるような感じがして、気持ちが沈んでしまう人もいるのではないでしょうか。
自分の現在地を確認するため、自分を何かと比べたくなったとき、僕が昨今実践しているのは、他人と比べるのではなく、過去の自分と比較することです。 過去の自分に比べれば、いまの自分が頑張ったことや努力したことが、すぐにわかると思います。たとえば、2年前の僕と比べたら、いまの僕は大学も卒業したし、仕事もあるし、自活できている。新たにできるようになった仕事やスキルもたくさんあります。 そう考えると、自分も捨てたものじゃないなと思えます。 トゥレット症のお子さんを持つ親御さんも、つい周囲の子どもたちとご自身のお子さんを比べてしまうことがあるかもしれません。 でも、ほかの子と比べても、子ども同士の前提条件が違うので、やはりあまり意味はありません。それは、ほかのトゥレット症の子であっても同様です。この病気はそれぞれによって症状も違うし、特性も違うので、誰かと比較してもしかたがないのです。 他人との差ではなく、お子さんの以前比べての変化こそを、見守ってあげてほしいと思います。