パリオリンピック男子バレーボール ガゼッタ紙記者寄稿「イタリアにあり日本になかったもの」
【イタリアの戦い方を熟知していた】 「第2セットはかなりいい感じだったので、自分たちのものにできるはずだった。それなのに我々はそれを手にすることができなかった。あんな守備をするチームと対峙するのは、とても難しいことだよ。自分たちのアタックが相手の見事なディフェンスによって、次々と防がれるのを見るのは、心理的にもかなりダメージを食らうし、いらだちが募るからだ」(デ・ジョルジ監督) 第2セットの勝敗を分けたのは、日本が長い攻防を制したこと、そして西田、髙橋、石川の3人がイタリアの戦い方を熟知していたからだ。3人とも期間は違うがスーペルレーガに属した経験があり、この「修業」が日本の役に立った。西田はかつてヴィボ・ヴァレンツィアに所属していたし(2021-2022年)、藍はまずパドヴァ(2021-2023年)、そしてモンツァ(2023-2024年)でプレー、イタリアでの最後のシーズンは決勝を争いプレーオフまで戦った。そして石川祐希はミラノ(2020-2024年)での経験を経て、新シーズンからはイタリア王者ペルージャの一員として戦う。 「すばらしい戦いだった。彼らがこのようなプレーをすることはある程度予想していたが、正直、ここまで高いレベルとは思ってなかった。最初の2セットは本当に苦しかったが、残りの3セットもそれに負けず劣らず、だった」 イタリアのリベロ、ファビオ・バラーゾは終了後に試合をこう振り返っている。 日本戦での勝利はイタリアメディアに熱狂的に迎えられ、大きな見出しが紙面を飾った。 「頭と筋肉で大逆転ショー。まさにイタリアらしい勝利」(『コリエレ・デラ・セラ』)「恐怖が夢に変わった」(『ガゼッタ・デロ・スポルト』) それと同時に、この試合は日本の多くの才能を明らかにした。なかでも、リベロの山本の敏捷な動きは印象的だった。 「まるで映画かアニメを見ているみたいだった」 ミドルブロッカーのロベルト・ルッソは明かす。 「日本はあらゆることをやってのけていたが、ただ負けが決まりそうな時も、我々は冷静でいることができた」