閉経前のドバドバ出血、耐え忍ぶなんてもう古い! では、どんな方法があるの?【我慢しないで快適に過ごす、閉経への道 ⑤】
周期が乱れてきて、閉経が近いような気もするけれど、突然の大量出血! そんな経験をする女性は多くいる。「最後の大暴れみたいに突然、大量出血した」「白いソファが血の海地獄になった」「一緒にいた息子に救急車を呼ばれた」なんていう体験談を耳にすると、不安に思う人も多いはず。閉経前のこの状態、コントロールできるのだろうか? 閉経前のドバドバ出血。知識としては知っていても、実際に自分もそうなったらと思うと、なんとかできないかと考えてしまうもの。具体的な治療法やコントロール法については、医師によってさまざまな意見や方法がある。今回も更年期の患者さんを数多く診ている、二人の婦人科の医師にお聞きした。
驚く人も多いけれど、黄体ホルモン剤で解決できること!
「突然ドバーっと出血する人は多いですね」と話すのは、OurAgeでも更年期や閉経、子宮筋腫など婦人科系のテーマでの解説が好評を得ているの産婦人科専門医の八田真理子さん。 「これは、子宮粘膜下筋腫やポリープ、子宮頸がんや子宮体がんなど器質的疾患が原因でなければ、閉経前に変動する女性ホルモンが、最後の力を振り絞った『打ち上げ花火のフィナーレ』みたいな感じ。春先の雪山に表層雪崩(なだれ)が発生するように、子宮内膜を厚くキープできず、大量出血を起こすことがあるのです。厚くなった子宮内膜が急に剥がれ、春先の雪山みたいにドドーっと雪崩を起こすんですよ。 一度だけじゃなく、何度も大量出血する人もいます。多いまま止まらないという人もいますね、ほんと人それぞれなんです。いずれは止まるけれど、患者さんはすごく不安になっちゃいますよね。それで、クリニックに飛び込んでくる方が多いです。『今日、うわーっと出血しちゃったの』って。 こうした大量出血には、黄体ホルモン剤が効くんです。わりとすぐに反応しますね。何日か連続服用すると、そのあと数日で月経がくるのでコントロールできるんです。具体的には、私はノアルテンという経口黄体ホルモン剤をおすすめします。これは昔からある隠れたロングセラーの薬。エストロゲン作用のある黄体ホルモン剤で、これが第1世代なんですよ。ノアルテンに勝るものはないと思ってます。リーズナブルな薬だから、製薬会社の儲けにならないでしょうけど、私のクリニックでは数多く使っています。 もともと生理不順や無月経の症状に対して、周期のリズムを整える目的で使うのですが、乳がんの既往とかがなければ使えるもので、多くの人は効きます。ちょっとむくみやすいとか胸が張るなどの副作用も人によってあるので、どれくらい続けたらどうなるかを、一人ずつ診ながらですね。ノアルテンでなければデュファストンとかプロベラです。効果はちょっと弱いんですけど」 《白い服も怖がらず、着られるようにしてあげたい!》 「大量出血はね、私たち医者でも困るんですよ。私も閉経前は『先生、白衣が日の丸みたいになってますよ!』なんて言われたことがあります。 白い服が怖くて着られなくなっちゃうでしょう、皆さん。ずっとナプキンを当てていないといけないから、『ナプキン代だけですごいことになってます』なんていう方もいるし。『昼でも夜用ナプキンをずっと当てているから、お尻が真っ赤になっちゃって』なんていう人もいました。 でも皆さん、そんなことで悩んでいるより、婦人科で治療したほうがいいです! もう月経はコントロールしていかないといけない時代です。快適にできる時代なんです。 若い人の生理痛とか、どの世代でもそうですけれど、女性にしかないこの月経というものを、絶対快適にすべきだと思うんです。特に、更年期には不調が出たりしますからね。月経のことで悩む必要はないの!婦人科に行きましょう」