スポーツ界のハラスメント根絶へ! 各界の頭脳がアドバイザーに集結し、「検定」実施の真意とは
現役アスリートにも学んでほしい、ハラスメントの「本質」
――「スポーツハラスメント検定」第1回は10月の末から11月にかけて行われたそうですが、受験者の皆さんの反応や手応えはいかがでしたか? 佐伯:初回で自ら検定を受けに来てくださった方々は、ハラスメントの問題を「自分ごと」として捉えている方が多かった印象です。問題は「暗記型ではないものにする」ことにもこだわったので、検定を通してスポーツハラスメントについて「考える」ことが生まれたのであれば、私たちにとっては大成功と言えます。記述式で皆さんの思いを伝えてもらう欄が最後にあるのですが、そこは鳥肌が立つぐらい熱かったです。初回は村井さんも自分の意思で受けてくださったのですが、受験した感想や、テキストの構成についても貴重なフィードバックをしてくださいました。 ――それは貴重なアドバイスになりそうですね。受講者はどんな職種の方が多かったのでしょうか? 佐伯:スポーツ関係者が多かったです。指導者・コーチが全体の約68%で一番多く、続いて審判が25%、協会役職員・関係者が22%でした。 ――今後、検定をどんな人に受けてほしいと考えていますか? 佐伯:指導者の方々には、指導者ライセンスを取る前の、スタート地点に立つ段階で受けてもらえればうれしいですね。また、この検定についてスペインの指導者と話していた時に、「指導者や保護者やクラブの役員だけではなく、アスリートにPRして、受験してもらうべきだよ」と言われ、気づかされました。被害者になる可能性が高いアスリートが、日常から言われていることやされていることに対して自覚を持つことはとても大事なことだと思います。ですから、アスリートとスポーツを楽しんでいる学生など、プレーヤーの方々にもぜひ積極的に受けていただきたいと思っています。彼らはもしかしたら将来の指導者やクラブ経営者になっていく人たちかもしれませんから。また、お子さんでも受けられるように、テキストや検定にルビも振っていますので、幅広い方に興味を持っていただければ嬉しいです。 <了>