「紅白」で唯一残念だった「有吉弘行」の司会ぶり 「すごい!サイコー」を連呼し、ミスが起きても見ているだけ…
■若者からは「ダンスが多すぎる」と疑問の声 近年の紅白は、出演者も含めて若者をターゲットにした演出にシフトしている。昨年もオープニングトークで、橋本から「今年はどんな紅白にしたいですか」と聞かれた有吉は「今回はダンス、ダンス、ダンスで番組に貢献したいと思います」と答えていた。だが、大野氏はこう指摘する。 「ゼミで学生たちに昨年の紅白について聞いてみたところ、一番多く上がったのは『ダンスが多すぎる』『なんでもかんでもダンス、ダンス』という疑問の声でした。ダンス好きの学生たちがそう言うのですから、若者の感覚からも少しずれているのかもしれません」 とはいえ、大野氏は「紅白」はテレビを家族で見る“最後のとりで”だと話す。 「毎年大みそかに『紅白』をやるということは、日本中の人が知っています。そんな番組は他にほとんどありません。テレビ自体が見られない時代にあって、家族が集まって見られるのは、オリンピックやワールドカップと『紅白』くらいでしょう。私はNHKにいたときに先輩でチーフプロデューサーだった小林悟朗さんから『紅白は世代間のズレ、ギャップを埋めるための会話のきっかけになればいい』ということを教わりました。今の制作スタッフにもその精神はきっと引き継がれていると思います。ともすれば家族がバラバラになりがちな時代に、『紅白』は家族を結びつける“最後のとりで”となる番組だと思っています」 放送後、司会を終えた気持ちを聞かれ、有吉は「すごい開放感でした」と語った。今年の年末もまたその重責を担うのであれば、今度こそは“有吉らしさ”を発揮してほしい。 (AERA dot.編集部・上田耕司)
上田耕司