「紅白」で唯一残念だった「有吉弘行」の司会ぶり 「すごい!サイコー」を連呼し、ミスが起きても見ているだけ…
■橋本環奈が「沈黙」してしまった場面でも… 「有吉さんは相手に突っ込みを入れて、笑いを取るタイプの芸人さんです。紅白に出演したアーティストに突っ込みを入れたり、揚げ足を取ったりすることは難しかったと思いますが、やはり、有吉さんの本領が発揮できるのは、誰か突っ込む相手がいて、そこから場面を展開できるパターンだと思います」(大野氏) 大野氏は「本来なら有吉さんが実力を発揮できる場面が2つはあった」と話す。 1度目は、韓国の5人組グループ「TOMORROW X TOGETHER」を紹介するとき、伊藤が「紅白初出場のトゥロッ……」と言い間違えたとき。 「伊藤さんは紅白初司会なので、失敗してもいいんです。表情からも緊張が伝わってきましたし、それが新鮮でもありました。しかし、有吉さんが隣であせっている伊藤さんに対して、それをただ見つめているだけだったのはよくなかった。隣で失敗しても、それを逆に笑いに変えて、伊藤さんに対して『僕が拾ってあげるから大丈夫』という姿勢を見せていれば、視聴者もより安心して見ることができたと思います」(大野氏) 2度目は、赤組の大トリだったMISIAを紹介する際、橋本が数秒間、沈黙してしまったシーン。このときも、有吉はその間を埋めるでもなく、ただ、見ていただけだった。 「生放送ならではの失敗は、必ず出てきますし、それが醍醐味(だいごみ)でもあります。ハプニングに対して、有吉さんが瞬時にどういうパフォーマンスを見せるのか。本当は、そこが腕の見せどころだったんです。だけど、結果的に有吉さんはただ見ていただけ。2人の朝ドラ女優にはさまれて、何となく“頼りないお兄ちゃん”みたいな存在になってしまっていました。生放送ならではのハプニングを細かく拾っていけば、有吉さんのいいところが見えたはずなんですが、その姿勢が見えなかった。言い換えれば、NHKに従順になってしまい、自分が出せていなかったと思います」(同) 昨年の紅白の世帯視聴率は、1部が29.0%、2部が32.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、歴代ワーストだった23年に比べ、2部は0.8ポイントアップした。その背景について、芸能リポーターの石川敏男氏はこう話す。 「他に見る裏番組がなかった、ということに尽きると思います。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』も終わり、『RIZIN』などの格闘技イベントもペーパービューで視聴するようになりました。裏番組で最も視聴率が良かったのはテレビ朝日の『ザワつく!大晦日』でしたが、見たい裏番組がないから消去法で『紅白』を見たという人が多かったのだと思います。年配の人はまだ紅白を見るというけれど、私はテレビ東京の『第57回年忘れにっぽんの歌』を見ていました。昔の紅白に出ていた往年の演歌歌手は、こっちの番組で歌っているので、70代の私でも楽しめるんですよ」