「ほな!さいなら」大阪・新世界「づぼらや」ふぐ看板撤去 地元からは惜しむ声
今月15日で閉店する大阪・新世界のふぐ料理店「づぼらや」の名物「ふぐ看板」が撤去された。長年親しまれた大きな看板が消え、地元からは寂しいと声があがっている。 【拡大写真】営業中にほんのり明かりが灯っていた、づぼらやのふぐ看板(2014年撮影)
SNSにも多くの反応
3日未明、長さ5メートルの巨大ふぐ看板がクレーンで撤去される模様は、SNSなどにも投稿され反響を呼んでおり、「また大阪名物がひとつなくなった」「とうとう撤去された」といった反応も多くみられた。
「皆様お元気で。ほな!さいなら」
看板が取り外された跡には「長らくご愛顧いただきありがとうございました。皆様お元気で。ほな!さいなら」のメッセージが掲げられていた。 づぼらやは1920年創業の老舗ふぐ料理店。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるなどし経営が悪化。今月15日に閉店することを発表している。また、ふぐ看板については、建物から道路へ突き出した幅が基準を超え、屋外広告物の基準に反していることから、これまで大阪市が撤去を求めてきた。
地元の声「ふぐだけは、あの位置に残して」
長年、このふぐの看板付近を拠点に、人力車の「俥天力」を運営する俥夫の國領翔太さんは「朝からこのニュースを見て泣きました。ふぐだけは、あの位置に残してくれませんか。これは新世界、いや、大阪の総意です」と寂しそうに語る。
「コロナの影響で新世界が寂しいのに、さらに寂しくなる」
また、店舗を眺めていた大阪市西成区の男性(72)は「今、通りすがりにびっくりした。新型コロナウイルスの影響で、ただでさえ新世界が寂しいのに、これは余計に寂しくなる」と話していた。
若いころからの風景、変わってしまう
天王寺公園や新世界を散歩するのが日課だという天王寺区の女性(75)は「私が若いころからずっとあった看板。あっけなくいなくなってしまうと、風景がすごく変わってしまう。新世界もいまは元気がないし、早くウイルスを解決してほしい」と話していた。