クルマ好きは東京を捨て、郊外に住もう! 若者が理想のカーライフを実現できる街はどこだ?
東京でのクルマ所有はコスパが悪い!
それでも東京都の車保有台数が圧倒的に少ないのはなぜか。それはクルマの保有が経済的に困難なのではなく、所有のパフォーマンスが極めて悪いから、と考えられる。過去の国勢調査(2010年)によると、自己保有車を通勤・通学に使う人の割合は全国平均で4.5割、地方では7割を超える県も多い。この数字は地方ではクルマが必需品で、クルマが好きだろうが嫌いだろうが所有せざるをえないことがわかる。一方東京は1割にも満たないのだ。 東京は公共交通機関が発達している。勤務先に駐車場があるケースも希だ。有料駐車場に駐めれば1日で何千円もかかる。つまり通勤は公共交通機関を使うのが圧倒的に合理的で、所有しても平日にクルマを使う機会はほとんどない。 週末を考えても、都内の繁華街は駐車場代が安くても1時間600円程度と嵩むし、安いところは満車でなかなか駐められないことも多い。ドライブで行楽地に行くにしても特に帰路の高速道路は東京に近づくとほぼ必ずといって良いほど渋滞する。使う機会が多いと考えられる東名と中央道は特にひどい。アクアラインも夕方から夜にかけては渋滞必至だ。気分転換のつもりの週末ドライブがかえってストレスになりかねない。クルマが好きでも、所有を躊躇してしまうのはよくわかる。たまのドライブや大きなものを買いたい場合はカーシェアリングを利用するほうが圧倒的に合理的だ。
クルマ好きが住む理想の街はあるか?
とはいってもクルマ好きであれば自分の気に入った車種を所有して愛着を持ちたいという気持ちはあるだろう。マニアックな車種はカーシェアやレンタカーで借りることは困難だ。所有したとしても、十分活用できなければストレスが溜まるだろう。それでは東京に勤務するクルマ好きはどうすれば良いか。 私は東京都港区生まれだが、現在は神奈川県藤沢市に住んでいる。2016年末までは毎日東京に通勤していたが、東京に戻りたいと思ったことは一度もなかった。その理由は私がクルマ好きだからだ。クルマ好きの皆さんには、湘南~西湘エリア(但し鎌倉は除く)に住むことを強くお勧めしておく。その理由はクルマ好き、運転好きであれば行くことが多いと思われる箱根・伊豆エリアに近く、東京への電車通勤もそれほど大変ではないからだ。藤沢は小田急線の快速急行の始発駅だし、JRには通勤時間帯に全席指定の特急「湘南」もある。東京駅にも新宿駅にも1時間かからずに到着できる。 クルマで箱根に行く場合は箱根ターンパイク入り口まで45分程度だし、伊豆方面へのアクセスも楽だ。また圏央道が利用しやすく東名・中央道へのアクセスも容易だし、帰路は都内に向けて渋滞する手前で高速道路を降りることが可能だ。湘南にも渋滞するエリアがあるが、住んでしまえばそれを回避する裏道を知ることができるだろう。日常生活においても、ショッピングモールなどは大型駐車場があり、ほとんどは無料だ。茅ヶ崎や平塚なら箱根・伊豆へのアクセスはさらに良くなる。 ただし、鎌倉はおすすめしない。道路環境があまりに悪いからだ。海沿いの国道134号も藤沢以西は片側2車線だが、鎌倉市に入ったとたん片側1車線となって渋滞する。それ以外も幹線と言えるような道路が事実上なく、脱出に時間がかかるし、週末は鎌倉を訪れる観光客で混雑する。高速道路へのアクセスも悪い。唯一朝比奈ICがあるが、横浜横須賀道路で東名にアクセスするには横浜町田ICまで遠回りすることになるし、帰路の渋滞にも巻き込まれるだろう。