過酷なパ・リーグのCS出場権争い。西武か、ロッテか?
ソフトバンクのマジックナンバーが日々、減っている中でパ・リーグの注目は、西武とロッテのCS出場権を巡る熾烈な3位争いだ。9月1日、現在、3位の西武と4位のロッテのゲーム差は無し。しかも、両チームは、9月4日からのQVCマリンでの3連戦を含め、直接対決を5試合も残している。西武か、ロッテか、今最もホットな戦いは、どちらが有利なのか。 両者のここまでの対戦成績は、11勝8敗1分でロッテが勝ち越している。対戦成績を見ると、勝ち越しの内容が、そのまま反映されていて、ロッテの対西武のチーム打率が.277、防御率が3.76で本塁打21本であることに対して、西武の対ロッテのチーム打率は.251、防御率は4.45、17本と分が悪い。だが、チーム全体の数字で見れば、失点以外はすべて西武が上回っている。特にロッテの3.95というリーグ最下位のチーム防御率の悪さが気になる。 専門家の意見も、真っ二つに分かれている。 西武有利派の一人が、元阪神、ダイエー、ヤクルトでプレーした評論家の池田親興さんだ。 「現状の両チームの最新戦力を検討すると、西武が一枚上手だろう。まず打線については、種類が違う。つなぐロッテと、爆発力のある西武。勢いがついて怖いのは西武だろう。私は特に両チームの違いは投手陣にあると思う。西武は、勝ち負けは別にして1試合を任せることのできる高橋光成が出てきたのが大きい。僕は彼の存在がチームの推進力になると見ている。 また休ませた高橋朋に復調の兆しが見えてきたため、ブルペンに緊急配備していた牧田を先発に戻したが、考えてみれば、彼も先発のプラス戦力ということになる。試合数はロッテが多く残しているが、それは有利とも見てとれるが、逆に考えると、それだけ先発ピッチャーの数が必要だということ。ロッテの先発の顔ぶれを見ると、その展開は苦しいと思う。西武の9月の日程は、飛び飛びのため、余裕を持って、先発投手を回すことができる」 池田さんが唱える西武有利説の理由は、リーディングヒッターの秋山、本塁打、打点部門でトップを独走しているおかわり君こと中村らを配している、リーグ1位の本塁打数とリーグ2位のチーム打率を誇る強力打線と、8月23日のロッテ戦で完封勝利、31日の楽天戦でも、5回を2失点にまとめ、現在4連勝中の18歳ルーキー、高橋光成の存在だ。 また先発の顔ぶれを見ても、別表のように、西武は防御率2台の投手が4人もいるが、ロッテには一人もいない。