過酷なパ・リーグのCS出場権争い。西武か、ロッテか?
ロッテ有利派の代表は、ロッテOBの里崎智也さん。2005年、2010年と、5年に一度の周期で日本一となっているため、今季、ロッテゴールデンイヤー説をずっと唱えている一人だ。 「どちらのチームも決定力に欠ける以上、日程が大きく影響してくると思います。西武に比べて残り試合が8試合も多いロッテが有利でしょう。どうしても先に日程を終了して他力本願となってしまうチームにアドバンテージはありせん。ただし、ロッテは、涌井、石川のエース2人で負けないことが条件になるでしょう。加えて、怪我で戦列を離れていた今江が戻ってきます。じゃあ、彼が、打てるかどうかはわかりませんが(笑)、戦力としては間違いなく厚くなります。 西武は、牧田を先発に戻した以上、後ろの高橋朋がカギですね。西武が上位にいたときは、増田、バスケスから高橋朋につないでいく、中継ぎ、抑えがしっかりとしていました。確かに西武の打線には、爆発力はありますが、バッティングには波がありますから計算が立ちません。一方のロッテも、先発が足りずにイデウンを先発に回したことで抑えの西野につなぐまでの中継ぎに不安が残ります」 ロッテは西武よりも8試合多く試合が残っている。順調に進めば西武は10月1日に全日程を終えるが、その後、ロッテは、まだ10月2日から3試合ある。この時点でロッテが1ゲーム差で4位にいるならば3連勝すれば逆転3位が可能になる。 また池田さんも、里崎さんも、西武がCS進出を果たす場合の、必須条件として、調子を落としていた抑えの高橋朋巳(27)と見ている。さらに里崎さんは、両チームの今後の3位争いについて、キャッチャーの起用もキーポイントになるという。 「両チーム共にキャッチャーが安定しませんね。西武も、ここにきて炭谷銀仁朗があまりにも打てないのでコロコロと変えています。ロッテも同じことが言えます。負けるとキャッチャーを変えますよね。ほとんどの場合、キャッチャーの起用判断は、打てるかどうかに委ねられているために、こういう起用法になっていますが、逆に考えると、キャッチャーを先に安定できるチームが、打線がつながっているという証明になるのかもしれません」 西武も炭谷銀仁朗(28)が、打率1割台に低迷しているため、みかねて、13年目のベテラン、上本達之(35)や、8年目の中田祥多(25)を起用するなどしているし、ロッテも、我慢して同じく打率1割台の田村龍弘(24)にマスクを任せていたが、8月21日に4連敗をすると、翌日の西武戦からは2試合、吉田祐太(24)を起用した。捕手の安定感は、確かにチーム状態のバロメーターかもしれない。 両チームは9月4日から直接対決するが、「その3つが天王山。どちらがCS出場権を得るかを占う戦いになるでしょう」と池田さんが言うように、重要な戦いになるのは間違いない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)