DV被害の妻が息子の不登校で目覚めた新たな道 母親が精神的自立を果たして子どもが変わった
今、美香子さんは息子さんの不登校のことをどう感じているのでしょう。 「息子は自分の気持ちと周囲との折り合いがうまくつけられなかったんだろうなと思います。私は母親として、何度も失敗したけれど、結局、信じて見守ることしかできないですね」 【ランの視点】 マインドコントロールを解き、変わった力関係 美香子さんからの相談を受け始めて数年。お子さんの不登校から始まった相談は、思いがけず美香子さん自身の生き方に伴走する時間に変わっていきました。
ご主人の借金や暴言も、ただひたすら耐える美香子さんを見て、なぜ、美香子さんはここまで何も言わないのか、言えないのか、そしてこれからどうしていきたいのかを、ひとつずつていねいに聴いていく時間になりました。それはご主人のマインドコントロールから美香子さんが解き放たれる過程でもありました。 お子さんたちもご主人の味方、実家のご両親にも頼れず、誰にも頼れないひとりぼっちの美香子さんでしたが、その状況に負けず、自分の正直な気持ちに向き合って、少しずつ強さを取り戻していかれました。
いつも真剣にまっすぐに行動していく姿が夫婦のパワーバランスを変えたのでしょう。ご主人にはっきりと離婚の意志を伝え、国家資格を取り、今度は世の中の親子をサポートする側に回ろうとしています。 不登校の相談を受けていると、今回のように夫婦の問題が表面化することがあります。親の変わる姿を見て、子どもたちにも変化が起きる。今回の事例は、いろんな苦悩を抱える親たちに希望と勇気を与えてくれるのではないでしょうか。
ラン :不登校コンサルタント、ブロガー