「紀州のドン・ファン」に覚醒剤を飲ませたのは誰か、出廷した密売人が「田辺市で女に覚醒剤を売った」の核心証言
■ 「覚醒剤 過剰摂取」の検索履歴 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野崎幸助さん(享年77)が2018年5月24日に自宅寝室で亡くなっていた事件で、殺人などの罪に問われた元妻・須藤早貴被告(28)の裁判が続いている。 【写真】2018年5月25日、「紀州のドン・ファン」野崎幸助氏が急死した翌日の夜、和歌山県警の刑事に妻だった須藤早貴被告(左)が任意同行を求められた瞬間 早貴被告は初公判から「(夫を)殺害していないので無罪です」と主張している(野崎さんの死亡後に早貴被告は裁判所に申請して苗字を須藤に戻している)。 これに対し、検察側は早貴被告が「完全犯罪」を目指して、用意周到に“準備”をしていたことを証明しようとしている。 検察の冒頭陳述によると早貴被告は「老人 完全犯罪」「覚醒剤 過剰摂取」「覚醒剤死亡」などのキーワードで検索していたという。 さらに第3回公判では彼女が所有していたスマホを解析した結果について専門家が出廷し、野崎氏が殺害された5月24日の晩の行動を証言した。この日の16時から20時まで自宅にいたのは野崎氏と早貴被告の2人だけであった。検察によると、外出していたお手伝いの大下さん(仮名)が帰宅するまで、早貴被告は少なくとも8回は野崎さんの寝室がある自宅の2階へ移動していたことがスマホのアプリ解析によって明らかになっているという。 解析の結果、早貴被告のスマホは高さ3メートルまで移動していたとされる。それが2階の寝室であったというのだ。 「早貴被告がこの時間帯に何度も野崎さんの寝室に上がっていたという事実は状況証拠としてかなりクロに近づけるものです。が、彼女が野崎さんにどのようにして覚醒剤を摂取させたのかについては証明されていません」(司法担当記者) そう、野崎氏の死因は急性覚醒剤中毒だった。第6回公判に証人として出廷した、野崎氏の遺体の解剖を担当した医師は、野崎氏の死因は覚醒剤を経口摂取したことと証言した。果たして早貴被告が野崎さんに何らかの方法で覚醒剤を口から摂取させたのだろうか。