二日酔いでむくんだ体にはレタスやキャベツ…年末の疲れに効く「漢方古来の疲労回復方法」
昭和の男は八目鰻(ヤツメウナギ)で元気をつけた
「八目鰻本舗」をご存じだろうか。東京・浅草、国際通りと雷門通りの四つ角にでかでかと白地に黒文字で「八目鰻本舗」と書かれている。昭和の商店街には、必ず一軒、ショウウインドウに気味の悪い蛇や虫の入ったガラス瓶を置く、謎の薬局があったものだ。漢方生薬を扱う店で、気がつけばいつの間にか消えてしまった。 【マンガ】19歳理系大学生が「フィールドワーク中」に死にかけた「ヤバすぎる体験」 「昔は旦那衆が遊びに行く前に、八目鰻のかば焼きを食べて行ったもんです」 と同店の店員さん。以前は店頭で八目鰻のかば焼きを焼いていたのだそうだ。現在はトリコさんも高齢化で、生の八目鰻は仕入れることができず、乾物のみ扱っている。 乾物の八目鰻を戻して、春巻きで包んだものが売られていたので食べてみた。チーズといっしょに巻いてあり、食べやすいが、ウナギという名前に騙されてはいけない。食感も味も別物だ。 八目鰻は原始的な魚類の一種で、円口類と呼ばれ、目と7対のエラ穴が一列に並んでいることから八目鰻と呼ばれる。ぬるっとした姿がウナギに似ているが、ウナギとは別種。天然のビタミンA・ビタミンB類、ビタミンD・ビタミンE・鉄など多種多様な栄養を含む、いわば天然の総合栄養サプリだ。そのため、昔から滋養強壮や眼精疲労に効くとされてきた。 歯ごたえのある固い肉には独特の風味があり、精がつくと言われればそれに納得する癖がある。八目鰻以外にもオットセイのエキス(筋肉に疲労回復物質があるという)やマムシ酒もあり、頼むとこれまた体に効きそうである。 八目鰻本舗 〒111-0032 東京都台東区浅草1-10-4 TEL:03-3845-4391 FAX:03-3841-9515 http://www.yatsume.co.jp/honpo
二日酔いでむくんだ体にはレタスやキャベツ
漢方薬が形を変えつつも、今も残っているのは科学的な裏付けがされてなくても、「効く」からだろう。まったく効かないのなら、とっくに消えてなくなっている。1年の疲れをとるには、漢方の力を借りるのもいいのではないか。 個々人に合わせて、昔ながら煎じ薬を調合する太陽堂の薬剤師、前原信太郎氏に話を聞く。 「漢方では疲労を大きく2つに分けて考えます。ひとつは体の中を巡るものを気血水と言い、この3つのバランスが整っていると自己回復力が高まります。しかし飲食や生活の乱れが原因で、血が足りなかったり、体に水分が足りなかったり、逆に余計な水分が体に溜まっていたり、といったことが原因で疲労します。もうひとつは細胞の持つエネルギーが失われている「脾虚」とその原因が加齢にある「腎虚」です」 年末年始の忘年会で暴飲暴食が続くと気血水のバランスが崩れる。それが疲労の原因になる。 「お酒飲み過ぎで体がむくむのは水毒、食べ疲れてしまって気が足りなくなる状態を気毒と呼んだりしますね」 お酒の飲み過ぎで起きる水毒による疲労には、体の余分な水を出して体を温めることが大事だ。 「一番簡単なのは、飲む前に温かいお茶を飲んでおくことですね。アルコールの分解には水分が必要なので、水分をとっておきます」 漢方薬では飲んだ後のむくみには「五苓散」、飲む前には脂肪の消化を助ける「黄連解毒湯」が使われる。 「体の余分な水分を出し、むくみを改善するにはキャベツやレタスといった葉物の葉の部分がいいですね。利尿作用があり、胃腸の疲労軽減にもなります。二日酔いで体がむくんでいるような時は、葉物を召し上がってください」