記憶に直結する“香り”を大切にするために。ラフラ・ジャパン『PROUDMEN.』シリーズのフレグランス
とはいえ、嗅覚というのは五感の中で特に順応性が高く、特定の匂いを嗅ぎ続けていると、やがてあまりその匂いを感じなくなるものだ。 だからどんなに気に入っていても、長く使ったフレグランスはやがて飽きてしまうもので、僕もきっと『PROUDMEN.』を卒業し違うものを手にする日が来るだろう。 でも、そこからまたしばしの年月を経て、老年に達した僕が改めて『PROUDMEN.』の香りを嗅いだとき、2020年代のこの日々のことを懐かしく思い出すことになるはずだ。 ああ、あの頃は良かったとしみじみ思うのか、頭を掻きむしりたくなるのか、今はまだ分からないが。
文・写真/佐藤誠二朗 ■ 佐藤誠二朗 さとうせいじろう 編集者/ライター、コラムニスト。1969年東京生まれ。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わり、2000~2009年は「smart」編集長。カルチャー、ファッションを中心にしながら、アウトドア、デュアルライフ、時事、エンタメ、旅行、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動中。著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』(集英社 2018)、『日本懐かしスニーカー大全』(辰巳出版 2020)、『オフィシャル・サブカルオヤジ・ハンドブック』(集英社 2021)。ほか編著書多数。新刊『山の家のスローバラード 東京⇆山中湖 行ったり来たりのデュアルライフ』発売。
佐藤誠二朗