うつ病などの「メンタルヘルス不調」の予防・治療に効果的な生活習慣とは?【医師解説】
近年、「メンタルヘルス」という言葉をよく耳にするようになりました。「うつ病」に悩む方が増えているという話も耳にします。 そこでうつ病などのメンタルヘルス治療・予防に効果的な生活習慣について、心療内科医の薮野 淳也先生(Stay Fit Clinic 院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「うつ病」とは?
編集部: 「うつ病」とはどんな病気ですか? 薮野先生: うつ病は一般的な精神障害の一つで、気分の持続的な落ち込みやこれまで興味のあったものに興味を持たなくなる、エネルギー不足、集中力の低下などが見られる状態です。 編集部: どうしてそのような状態になるのでしょうか? 薮野先生: うつ病の原因や発症のメカニズムなどはまだ解明されていない部分も多く、明確にわかっているわけではありませんが、神経伝達物質のバランスや脳の機能に関連しており、遺伝的な要因や生活環境の影響を受けると言われています。 編集部: 気分の落ち込みなどは誰にでも起こりうると思うのですが、どんな状態になるとうつ病なのでしょうか? 薮野先生: うつ病の症状は個人によって異なりますが、一般的には長期間続く抑うつ感や興味喪失が特徴的です。うつ病の診断基準は、一般的に精神医学の分類体系である「国際疾病分類(ICD)」や「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」によって示されています。 編集部: 詳しく教えてください。 薮野先生: 例えばDSM-5においては、以下のうち5つ以上の症状が、2週間の期間にわたって持続するとうつ病と診断されます。 (1) 持続的な抑うつの気分または興味喪失 (2) エネルギーの低下や疲労感 (3) 自己評価の低下や罪悪感 (4) 集中力や意思決定能力の低下 (5) 睡眠の障害(過眠または不眠) (6) 食欲の変化(過食または食欲不振) (7) 身体的症状(無明確な理由で体の不調を感じることがある) これらの症状が患者の日常生活において重大な障害を引き起こし、医学的な物質使用、ほかの精神障害によるものではないことが確認されることなどによって、うつ病と診断されます。