26歳で突然『高次脳機能障害』に 包丁の刃を持とうとしたりトイレに逆向きに座ったり…障害の中で2人の子育て 同じ苦しみ持つ人の支えに「闘病記」出版
■「不安は常にあった」当時を振り返る
6月、再び北島さんは徳島から、「闘病記の森」がある大阪に訪れた。 今回は長男の司くん(12歳)がついてきてくれた。 北島麻衣子さん:心強いです。全然違います。一人で来るのは不安なんで。 今回はより具体的に、実際にどんな時に北島さんが障害で苦しんだのか、当時の出来事を振り返っていく。 北島麻衣子さん:こっちが(トイレの)タンク側やとするじゃないですか。便座ってこう座るじゃないですか。こうじゃなくて、後から見たら、私こっち向きで座ってたんですよ、便座に。横向きに(座って)用を足してたんですよ。 北島麻衣子さん:どんどん今の自分の置かれている現状を知ってきた。道には迷う、一人でどこも行けない、お風呂も一人で入りに行かせてくれない。こんな体で私、今から生まれて来る子どもを育てられるんだろうかとか、家に帰っても娘の子育てできるんだろうかとか、不安は常にあったんです。 そんな話をしている中で、司くんにこう語りかけた。 北島麻衣子さん:あなたがおなかにおる時やからね、知らんと思う。 司くんにとっては、初めて聞くことばかりだったのだ。 Q.お母さんの話を聞いてどう思った? 長男 司くん:(自分が)障害も持ってないし、産んでくれてありがとうって。 北島さんは、闘病記を単なる記録にはしたくないと思っている。 北島麻衣子さん:『闘病記が医療資源になる』って言葉が、心にすとんって入ってきて。支援者の方が見ても、医療関係の方が見ても役に立つ。同じ仲間には背中を押せる本になってほしいし、ご家族の方の力にもなる本になってくれたら一番うれしい。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年6月25日放送
関西テレビ
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