錦織圭、前週優勝の元世界3位チリッチを撃破!熱戦制してジャパンOPで6年ぶりに2回戦へ【テニス】
錦織圭、ツアーでしのぎを削った元世界3位チリッチを下す
「木下グループジャパン・オープン」(東京・有明コロシアム/ATP500)シングルス1回戦が9月26日に行われ、ワイルドカード(主催者推薦)で出場の錦織圭(ユニクロ/世界ランク200位)は、マリン・チリッチ(クロアチア/同212位)を6-4、3-6、6-3のフルセットで下し、同大会6年ぶりに2回戦進出を果たした。 【動画】錦織圭の糸を引くようなバックハンドのダウン・ザ・ライン&マッチハイライト 34歳の錦織は、ジャパン・オープンで2012、2014年と2度優勝。準優勝した2018年大会以来6年ぶりとなった。「久しぶりのジャパン・オープンなので、楽しみという気持ちと緊張感もあります。良い結果をもちろん残したいですけど、1試合1試合勝ち進めたらいい」と抱負を述べた。 1回戦の相手は、過去9勝6敗と勝ち越しているものの、2014年全米オープン決勝でグランドスラムタイトルをかけて敗れた因縁の相手である元世界3位のチリッチ。右膝の度重なる怪我から8月に復帰したばかりではあるが、2日前には「杭州オープン」(中国・杭州/ATP250)で約3年ぶりとなるツアー通算21度目のタイトルを獲得し、タフなスケジュールではあるものの勢いがある。 ツアーでしのぎを削ってきたライバルとの6年ぶりの一戦、錦織は序盤から落ち着き、左右に球を散らしていく。チリッチも球際の強さを見せて、流れを渡さない。拮抗した展開の中、テンポの良いストロークでリズムを掴み始めた錦織が、第9ゲームで確実にリターンを返してチリッチにミスを引き出す。ブレークに成功。コースを突いたサーブも活きて、直後のサービスゲームをきっちりキープして6-4で第1セットを奪った。 勢いに乗りたい錦織は、第2セットでは先にブレークされたものの、直後のゲームでは強烈なフォアハンドのダウン・ザ・ラインを放って、すぐさまブレークバック。流れを再び引き寄せたかに思えた。だが、チリッチも踏みとどまって反撃。第8ゲームで再びリードを許してしまい、3-6で奪い返された。 勝負の最終セット、立ち上がりのピンチをしのいだ錦織は、テンポの速いテニスを試みるが、チリッチもカウンター。互いに一歩も譲らない接戦となる。それでも、第6ゲームでアグレッシブな姿勢を見せた錦織がチャンスを作ると、プレッシャーを受けたチリッチがダブルフォールト。大きなリードを奪い、その後も精度の高いショットをライン際に決めて6-3。同大会6年ぶりに2回戦進出を果たした。 満員の観客の中で勝利という最高の結果を手にし、オンコートインタビューで「コートに入る前にそんなに緊張してなくて、いつも通りに行けそうな雰囲気はしてたんですけど、直前で『(チケットが)完売です』と言われて、ちょっとドキッとして緊張が巡った」と笑いを誘った錦織。「出だしからそんなに悪くなく、テニスも良かったので、特に後半徐々に上げていけたかなと思います」と述べ、「自分の調子、フォームが戻り始めてて、今日も緊張の中でお客さんの力もありながら、良いテニスがまた戻ってきたかなという感じがある。先週、中国で課題点も残りながらだったので不安はあったんですけど1回戦勝てて良かった」とした。 錦織は2回戦で第3シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同9位)とジョーダン・トンプソン(オーストラリア/同29位)の勝者と対戦する。
Tennis Classic 編集部