変わる社会、変わらぬ使命に緒方禎己警視総監「期待と信頼に応え続ける」 警視庁150年 150/150
明治7年の創設以来、150年にわたって首都東京の治安を守り続けてきた警視庁。時代は移ろい、東京や日本はこれまでになかった新たな課題や脅威に直面している。「今後も、都民・国民の期待と信頼に応え続ける」。新年を迎えるにあたり、緒方禎己警視総監(61)が産経新聞の書面インタビューに応じ、「151年目」への決意を語った。 ■時代ごとの治安の危機に対応 --警視庁150年の歴史では、さまざまな事件や事故、災害があった。治安情勢の変化に、どう対処してきたか 「明治、大正、昭和、平成、令和の御代を通じて社会は変化を続け、首都東京はその影響を最も色濃く、いち早く受けてきた。治安は社会の世相を反映するもの。警視庁は時代の節目で先例のない治安上の危機に直面してきたが、知恵と工夫と団結により乗り越え、その経験を通じて強靭(きょうじん)な組織力を磨いてきた。都民・国民のご理解とご協力があればこそ、成し遂げられたものと考えている」 --総監自身、警視庁での勤務は5回目。思い出や、印象に残っている出来事は 「いずれの勤務も唯一無二の充実した時間で、多くの学びを得ることができた。他方、未解決のまま任期を終えざるを得なかった事件については、今でも悔いが残っている」 「(副総監として迎えた)新型コロナウイルス禍での東京五輪・パラリンピックでは先の見えない不安と戸惑いの中、健康管理に気を配りながら本部と警察署がともに補い合い、支え合って『歴史的な警備』と『一般治安の確保』の両者を達成することができた。組織の総合力が実を結んだ」 ■一員であること誇りに --これまでの歴史や自身の経験などから、警視庁とはどのような組織だと考えているか 「新宿署地域課から警察官としての歩みを始めた私にとって、警視庁は警察活動の本質と第一線の現実を教えてくれた場所でもある。警視庁の力は、圧倒的なマンパワーと首都警察として長年にわたる経験、その経験に裏付けられた豊富な知識と高い技術にある。警視庁の一員であることの気概と誇りを胸に、さまざまな脅威に対峙(たいじ)しながら与えられた任務に黙々と励む、多くの職員の地道な努力に支えられていることを実感している」 --近年、新たな治安上の脅威が出現しているが、これらにどう対処していくか