スマホのバツが押せない「消えない広告」に代表されるダークパターンから身を守るには?
ダークパターンで消費者を欺く事業者は海外ではすでに罰金の対象に
ダークパターンは日本ではまだ明確な規制対象になっていませんが、欧米では規制の対象となっています。たとえばFTC(米連邦取引委員会)は、オンラインゲーム「フォートナイト」の運営会社であるEpic Games社に対し、ダークパターンの使用およびプライバシーを侵害するデフォルト設定をめぐり、5億2000万ドルの罰金を科しています。 このほか、ポーランドではAmazonが悪質なダークパターンで12億円の罰金対象になっています。ポーランドの消費者保護庁によると、その問題の根幹は「Amazonで商品を購入したにもかかわらず物品が届かない」という消費者からの声が多かったこと。 実はAmazonの売買契約の成立は代金受領時ではなく「商品発送の通知時」です。つまりAmazonは代金を受領した後、商品発送の通知前であれば注文を一方的にキャンセルすることがあるということです。
つまりポーランドにおいて、Amazonは「売買契約の締結タイミングについて消費者に誤解を与えている」「配達される保証がないにもかかわらず、残り◎点など注文を急かす表示をする」といった点が、一種のダークパターンであるとして制裁の対象になったということです。
ダークパターンから身を守るには?
Amazonやフォートナイトの例に代表されるように、普段から気軽に利用しているWebサービスやアプリにも「ダークパターン」は存在しています。 ダークパターンから身を守るためには、まず主なダークパターンの種類を認識したうえで、Webサービスの利用時には一定の警戒感を持つことが大切です。 多くのWebサービスやコンテンツが無料で利用できる背景には、有料コンテンツへの誘導や広告が存在している点についても正確に理解をすると良いでしょう。 たとえば近年、ダークパターンは「サブスクの無料体験と解約」においてしばしば見受けられます。無料体験に誘導したうえで解約ページのリンクを見つけづらくしたり、解約に極めて長時間がかかるサイト構成になっている場合があります。 つまり無料体験は便利な存在ですが「これはダークパターンではないか?」と不安を感じたら、不要になった際の解約手続きはどのようにして行うのか、事前に調べたうえで無料体験を試すと良いでしょう。
オトナライフ