美容医療経験者も増え、美への向き合い方が多様化…10年先を見据えてすべき美容は?|CLASSY.
結婚に出産、キャリアだって築きたい…人生の選択が多いCLASSY.世代。正解がわからないからこそ、指針が欲しいもの。特に気になる分野の有識者の方に、この先10年、世の中はどう変わっていくのか、どう行動すべきかを伺いました。
“予防美容”がさらに拡大。目に見えない部分までアプローチするトータルビューティーの時代へ
■池田智子さん(株式会社資生堂 エグゼクティブオフィサー) ──これからの美容のニーズはどう変わりますか? 働き方や人付き合いなど生活が多様化し、美容のお悩みも、ますますパーソナライズされていくでしょう。今は“自分を知る”ことに重きを置いている人が増えています。弊社でも「Beauty DNA Program」や「“鼻骨格”診断」など、将来的に表れやすい肌悩みと肌内部の状態を予測するサービスを開発・開始しています。自分を知り“自分の中の最高点”を目指す人がさらに多くなり、美しさの定義や価値観はますます多様化していくでしょう。 そのため、美容に求めることも細分化していきます。例えば、「予防」への関心がますます強まっています。これまでの若い世代の肌悩みの多くは見た目でわかりやすいシミやしわでしたが、エイジングサインがわかりにくい“たるみ”の研究にも力を入れています。先に先にと目に見えない段階で未然に防ぐ、これが今後のスキンケア製品などに求められる一つの大きな価値観になっていくと思います。 ──美容医療と化粧品の関係性や立ち位置はどうなっていきますか? 美容医療は近年よりカジュアルな選択肢の一つになっています。しかし、スキンケアのよさは、日々肌と向き合いその変化を実感することで、強い肌と心が育まれることにあります。また化粧品による香りの効果で心身が整う研究結果も出ています。私たちも美容医療の施術を商品開発のヒントにすることもあり、どちらもうまく活用しながら自分らしい美しさを追求していただくのがいいと思います。 ──美容へお金を惜しまない読者も増えているように感じます。美へのアプローチは今後どうなりますか? 先にあったように、美容医療を受ける方も非常に多くなってきていて、美への向き合い方も多様に。そんななか一つの潮流として「トータルビューティー」があります。弊社でも掲げていますが、外側からだけではなく、体の内側や生活習慣、生活すべては美に繋がっているという価値観が一本大きな軸になっていくのではないでしょうか。ジェンダーや年齢にかかわらず、誰もが体の内外、心、環境すべてが豊かで健康であることが美しさの第一歩になるはず。これからも私たちはすべての方に寄り添える、トータルビューティーを提案していこうと思っております。