ホンダ、新型「フリード」発売 ガソリンモデルは250万8000円から、e:HEVモデルは285万7800円から
本田技研工業は、新型「フリード」を 6月28日に発売する。ガソリンモデルとe:HEV(ハイブリッド)モデルをラインアップし、価格はガソリンモデルが250万8000円~308万7700円、e:HEVモデルが285万7800円~343万7500円。どちらのパワートレーンにも、シンプルなデザインが特徴の「エアー(AIR)」と、タフで力強いイメージの「クロスター(CROSSTAR)」を設定し、駆動方式は2WD(FF)と4WD、シートレイアウトは5~7人乗りを用意している。 【画像】新型フリード エアー 3代目となる新型フリードは、グランドコンセプトを「“Smile”Just Right Mover(“スマイル”ジャスト ライト ムーバー)」とし、人々の暮らしだけではなく、使う人の気持ちにも寄り添い、日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマとなることを目指して開発されたモデル。 ■ 上質で洗練されたシンプルなエアー、力強く遊び心あふれるクロスターの2タイプを設定 エクステリアは、クルマ全体をシンプルな造形かつ上質なデザインとし、信頼感とクルマとしての使い勝手のよさを感じさせるスタイリングを両立。フロントは、ヘッドライトやフロントグリルのシャープな造形により、凛とした表情を創出しつつも、親しみやすさと所有する誇りを表現。 サイドは、ヘッドライトからキャラクターライン、そしてリアライセンスガーニッシュまで、つながりのある水平基調のラインで構成するとともに、高度なプレス技術によるシャープなキャラクターラインの造形を用いることで、シンプルでありながらクオリティの高さを感じさせるデザインに仕上げている。 リアはスタンスのよい台形のフォルム、さらにリアコンビネーションランプの位置を低くすることで、走りのよさや広い室内空間を外観からイメージできるデザインとしている。 クロスターは、エアーで作り上げた信頼感のあるデザインをベースに、専用のフロントバンパーやホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュを採用してブラック化。また、高輝度シルバーの専用フロントグリル、リアロアガーニッシュ、ルーフレールを採用するなど、フリードの持つ個性を生かしながらもアクティブな活動を後押しする力強さが込められている。 ■ 視覚的ノイズの少ないシンプルな構成で、使う人がゆったりとした気持ちになれるインテリア インホイールメーターの採用などにより、水平基調でノイズレスなダッシュボードを追求し、すっきりとした前方視界を確保。またベルトラインも水平基調とし、前方視界から側面視界に連続性を持たせることにより、2列目・3列目でも開放的な空間を実現。さらに、3列目のリアクォーターウインドを四角基調に変更し、先代よりも窓の面積を拡大するなど、1列目、2列目と同様に明るく開放感のある3列目になっている。 また、1列目のシート形状を工夫して、ウォークスルーのしやすさを向上。フリードならではの取りまわしのしやすいボディサイズと使い勝手を追求したほか、フロントピラーの付け根をタイヤの真上に配置することで、タイヤの位置をイメージしやすくし、車幅がつかみやすいデザインとしている。さらに、フロントピラーの1本化やドアミラーの位置変更などで、斜め前方視界がより開け、歩行者が認識しやすくなるなど、運転時の安心感を高めた。 7インチTFT液晶メーターは、運転に集中できるように速度や現在時刻など必要最小限に絞り込んだ情報とすることで、見やすく、分かりやすい表示を追求したという。センターパネルは、運転に関する操作スイッチと空調などのスイッチを左右でゾーニングすることで、運転時も直感的にスイッチ類を操作できるようにしている。 3列目シートは構造部の軽量化と薄型化を実施。跳ね上げ時のシートの固定位置を低くするとともに、荷室への張り出し量を最小限にし、固定時のシートをほぼ垂直とすることで、畳んだ際のシート間の距離を現行より約160mm拡大。3列目の座り心地のよさはそのままに、さらに荷室の使いやすさと自由度を向上させた。 ■ パワートレーンはハイブリッドの「e:HEV」と「ガソリン」を用意 フリード初搭載となるホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムのe:HEVは、燃焼の高速化やフリクション低減により、最大熱効率40%以上を実現。走りと燃費をより高い次元で両立したほか、モーターならではの低速域からの力強い走りを実現しつつ、乗る人全員が安心できる穏やかでスムーズな駆動特性を実現した。ガソリンモデルは、静粛性に優れたポート噴射エンジンを採用した直列4気筒1.5リッターDOHC i-VTECエンジンを搭載する。 ■ 高いハンドリング性能と快適な乗り心地を両立。先進安全運転支援システムも搭載 運転に不慣れな人でも安心して運転でき、同乗する人が不安を感じない穏やかな乗り心地により、乗員全員の心に余裕をもたらすようなダイナミクス性能を目指して開発。ボディ剛性のバランスの適正化により、操舵に対し車両がスムーズに向きを変える素直で安心感の高いハンドリング性能を追求した。 また、荒れた路面の走行や段差を乗り越える際の振動を抑制するため、サスペンションのフリクション低減を実施するなど、快適に過ごせる乗り心地も目指したという。 さらにホンダ独自の「リアルタイムAWD」は、雪上走行や悪天候時でも安定したドライビングを発揮。特にe:HEVとの組み合わせでは、モータードライブの特徴である大トルクを、素早く最適に駆動配分することで、さまざまな路面環境でより安定感のある走りを提供するとした。 先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」は全タイプに標準装備。フロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いたシステムを採用し、さらなる安心・安全を追求している。 Honda SENSING搭載機能一覧 ・衝突軽減ブレーキ(CMBS) ・誤発進抑制機能 ・後方誤発進抑制機能 ・近距離衝突軽減ブレーキ ・急アクセル抑制機能 ・歩行者事故低減ステアリング ・路外逸脱抑制機能 ・渋滞追従機能付アダプティブ・クルーズコントロール(ACC) ・車線維持支援システム(LKAS) ・先行車発進お知らせ機能 ・標識認識機能 ・オートハイビーム ・アダプティブドライビングビーム ・トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能) ・ブラインドスポットインフォメーション ・パーキングセンサーシステム ・後退出庫サポート ■ クロスターベースのスロープ車とリフトアップシート車も設定 クロスター(2WD/FFモデル)をベースに、スロープ車とリフトアップシート車を設定。価格はスロープ車のガソリンモデルが297万7000円、e:HEVモデルが329万5000円、リフトアップシート車はガソリンモデルのみの設定で299万5000円(ともに消費税非課税)。 スロープ車は、電動ウインチ(速度調整機能・進路補正付)とスーパーフレックススロープを設定することで、普段の買い物やレジャーシーンでも使用できるとともに、介護利用における利便性を追求することで、より幅広い層に使用できるクルマとなっている。また、リアクーラーとリアヒーターダクト(車いす乗車スペース用)を備えることで、夏も冬も快適な車内環境をすべての乗員に提供可能としたほか、型式指定自動車として設定することで持ち込み登録の手間が省け、納車までの時間を短縮させた。 リフトアップシート車は、助手席シートの回転から昇降まで、すべて電動操作で行なえる装置を搭載し、車いすや杖を利用している人がストレスの少ない乗り降りを追求。また、シートの背もたれ角度やシートポジションを電動調整とすることで、快適な姿勢でドライブを楽しめるとした。
Car Watch,編集部:塩谷公邦