16歳から15年間悩まされた頭痛やむくみを「呼吸法」で改善。息を吐くほど体は緩む、0円でできる健康法!
◆正しい呼吸法の良さ 白隠禅師が残した呼吸法により、健康を取り戻した椎名さん。心身の変化に伴い、不調が起きていた原因は“内側”にあったのだと気づいたという。 呼吸法を行い、これまで抱えてきた症状が全部なくなったことで、これまで自分の体に無理を強いてきたことにようやく気づきました。私が体の使い方を間違い続けるから、それを教えようとして頭痛が起きたり、関節が腫れて歩けなくなったりしていたんです。それぞれの臓器が社員で、私が社長とするなら、社員みんながクレームを送り続けていたんですね。彼らから送られる愛のメッセージに15年間気づけなかった私は、ダメな社長でした。(笑) 要するに私は、ずっと無理に力を入れてがんばってしまっていたんです。胸を張ってお尻をプリッとさせる姿勢も、それこそがいい姿勢だと思って一生懸命やっていた。でも、実はその姿勢が最悪だったわけです。不要な力を入れてしまっていたから、老廃物を出せないほど血流が滞っていたんですね。 呼吸法の基礎は腹式呼吸なのですが、人間本来の正しい姿勢でなければできません。それで人間本来の楽な姿勢に戻したら、血液がビュンビュン流れるようになりました。ZEN呼吸法は、「吐くこと」がメインです。息を吐くことで身体が緩むので、ちゃんとできている人は、むくまないんですよ。 姿勢をととのえて、鼻からゆっくりと息を吐くことからスタート。個人に合った自然な呼吸をするために、吐く・吸う時間も特に決まっていません。細く長い腹式呼吸を続けることで、要らないものはすぐに出せるようになったので、今は一切むくまなくなりました。こんなに出せる能力があるのに、自ら全然使えない状態にしていた。そのことに衝撃を受けて、これは伝えねばと思い、19年前に自らのメソッドをZEN呼吸法と名付け、伝える活動をはじめました。
◆姿勢と呼吸を調えれば、自ずと心も調う 古くから日本に伝わる呼吸法――健康の秘訣ともいえる基礎知識を、なぜ誰も教えてくれなかったのか。そのことに椎名さんは長年疑問を抱いていたが、現代の豊かさが起因するのではないかと考える。 私は学生時代から不調に悩み苦しみ、さまざまな治療法を試してきたにもかかわらず、なぜ長年「呼吸法」に出会えなかったのか。いろいろ考えたのですが、やはり現代の便利な生活が身に染み付いてしまったからなのだろうと思います。 なんでもお金を払って人にやってもらう。物を買ってなんとかする。自分の外側にあるものに頼る世の中になって、内側にある力の使い方を忘れがちになってしまったんですよね。本来、人間にはすごい能力があるのに、その使い方を自分で信じられなくなってしまった。結果、何かに頼る、誰かに頼ることばかりに目がいくようになったのではないでしょうか。 禅の教えに、「三調(サンチョウ)」というものがあります。1つ目が「調身(チョウシン)」。これは、「体を調える」こと。次に「調息(チョウソク)。これは「息を調えること」、最後に「調心(チョウシン)」。これは「心を調える」こと。ZEN呼吸法も、この順番に重きを置いています。 正しい姿勢でなければ、正しい呼吸はできません。「呼吸法」というと呼吸にばかり意識が向きがちですが、まずは「姿勢」からです。姿勢を調えれば呼吸が調い、呼吸が調えば心がおのずと調っていきます。息は、「自分の心」と書きますから。 心は、アクセスがすごく難しいんですよ。でも、体はアクセスしやすいわけです。心は体の中に入っているものなので、体を元気にすることが何よりも近道です。体をないがしろにして心だけを元気にすることはできません。昔の人は、そのことに気づいていた。そこがやっぱり先人の知恵ですよね。
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