【報ステ】能登復旧なぜ終わらない?半壊の家に住む解体作業員から見えた“現状”
■解体業者から見えた“現状”
現在、珠洲市内で倒壊した家屋などの解体・撤去作業を行っている県外からの業者たち。その解体作業員用の宿舎は約500人分。一方、作業する業者は約1200人と、圧倒的に足りていません。地盤が安定しない、平地が少ないなどの理由からこれ以上、建て増しもできません。 広島から来ている解体業者の澤井信綱さん(56)。現在、知り合いのツテを頼り、5月から珠洲市内に住みこみで働いています。作業員用宿舎を案内してもらいました。案内されたのは、市内にある民宿。1階部分は津波の被害も受けました。半壊判定を受けた建物の壁は剥がれ落ちたままです。 広島県からの解体業者 澤井信綱さん 「ここの両サイドが我々のすみかというか。ここは1人ですね。全部で7部屋ある。そこを全部お借りしています」 広島から珠洲へ。この大広間での寝泊まりも、すでに半年以上が経ちました。さらに、澤井さんが借りる家も一見、綺麗に見えますが、半壊の判定を受けた住宅。そのため、床には傾きが出ていて、テープを置くと転がっていきます。 広島県からの解体業者 澤井信綱さん 「結構傾いてますね」 「(Q.これだけ傾斜がついていると?)ついているってことでしょうね」 能登地方は今年だけで2100回を超す地震に見舞われています。 解体事業に参加 小野綺里斗さん 「ダンプの音がすればダンプで揺れたのかなと思うが、夜何も通ってないのに揺れたりしたら『あ、いま地震が来たんだな』と不安になります」 奥能登はこれから冬本番を迎えます。市内でも数少ない酒場からは解体業者らの複雑な思いが聞こえてきました。 大分からの解体業者 「ずっと狭い宿舎の部屋にいて、やっぱりストレスはたまりますよね。お金のためにしているけど、どこか片隅には“どうにかしてあげたい”」