革新の車いすで世界に挑戦!大阪電気通信大、サイバスロン2024で栄光の3位
スイス・チューリッヒのスイスアリーナで開催された障害者支援技術の国際大会「サイバスロン2024」において、大阪電気通信大学工学部を中心とするチーム「OECU&R-Techs」が電動車いす部門で見事3位に輝いた。 同チームは、アジア唯一の電動車いすレース出場チームとして、前回2020年大会の慶應大学理工学部に続き、日本勢2大会連続の表彰台入賞を果たした。
決勝戦では10個の課題のうち6個をクリアし、カナダのブリティッシュコロンビア大学(10課題クリア・優勝)、スイスの東スイス科学大学(8課題クリア・準優勝)に続く成績を収めた。さらに、革新性・有用性・汎用性に優れた車いすを開発したチームに贈られる「ジュリー賞」も受賞。技術力の高さを世界に示す二つの快挙を達成した。 パイロットを務めた小倉俊紀さんは、「めっちゃ嬉しいです。昨日の予選は苦戦しましたが、決勝では良い緊張感で臨み、3位入賞できたことが本当にうれしいです。チームのみんなと共にサイバスロンに参加できてよかった」と喜びを語った。
チームを率いた大阪電気通信大学工学部の鄭聖熹(ヂョン・ソンヒ)教授は、「ベストなタイムでレースを進めることができ、この結果はチーム全員の努力の賜物です。スイスでの大会参加が実現してよかった」と話した。
昨年10月からチームに参加し、車いすの座面開発に取り組んできた工学部4年生の弓指咲英さんは「パイロットに安心感を与えるため、座面の傾斜を開発してきましたが、複数の課題でその効果が発揮できて良かったです」と笑顔で振り返った。
なお、同大会の視覚支援レースに参加した和歌山大学のチーム「W-Visions」は、決勝に進出したものの、メダル獲得には至らなかった。 サイバスロンは、障害のあるパイロット(競技者)とエンジニアがチームを組み、最先端の支援技術の実用性を競う国際大会だ。日常生活で直面する階段の昇降や段差の乗り越えなど、実践的な課題に挑戦することで、支援技術の開発促進と社会実装の加速を目指している。 取材・文:越智貴雄