【評価まとめ】欧州主要リーグ日本人選手の今季を4段階で評価。ビッグクラブで優勝争い、年間MVPノミネート選手も
MF遠藤航(リヴァプール):S
公式戦44試合出場:3ゴール1アシスト 昨年の夏にモイセス・カイセドを獲得し損ねた後、現地の識者を含めた多くの人が遠藤の緊急補強に懐疑的だった。しかし、ユルゲン・クロップ監督は自身の出身であるドイツの地で圧巻のパフォーマンスを見せていた日本代表主将を信頼。遠藤自身、加入当初はプレミアリーグへの適応に苦労したが、中盤戦以降にその価値を示し、チームに欠かすことができないアンカーとしてのポジションを確立してみせた。アレクシス・マクアリスターとドミニク・ソボスライとの中盤トリオは今季のお馴染みとなり、最大の特長であるフィジカルを活かした中盤での潰しのプレーだけでなく、フラム戦での劇的勝利に導くゴールなど攻守に貢献。リヴァプールが最終盤まで優勝争いに食い込めたのは、間違いなく遠藤の補強があったからこそだった。
FW三笘薫(ブライトン):B
公式戦26試合出場:3ゴール5アシスト 昨季にリーグ33試合で7ゴールをマークし、プレミアリーグ有数のウインガーとして名を上げた三笘にとって、今季は苦しいシーズンとなった。開幕からのリーグ6試合で3ゴール3アシストを記録してさらに飛躍のシーズンとなるかと思われたが、ヨーロッパリーグとの二足の草鞋を履いたチームの中で疲労も顕著となると、昨年末から足首と背中の負傷が続き、2月終盤以降の全試合欠場を強いられた。チームも昨季の躍進から今季はボトムハーフの11位フィニッシュ。現地メディアもチームの低迷を三笘の離脱と関連づけたように、チームの浮沈を左右するほどの評価を得ているのは素晴らしいことだが、ロベルト・デ・ゼルビ監督も退任する中で、残留するにしろ新天地に移籍にするにしろ来季は改めて自身のプレーを取り戻す必要がある。
MF鎌田大地(ラツィオ):B
公式戦38試合出場2ゴール2アシスト 加入直後のセリエAでの4試合は先発し、1ゴール1アシストと結果を残していた鎌田。だが、チームが1勝3敗と厳しいスタートになったことからマウリツィオ・サッリ監督の戦術変更の割を食う形となった。9月半ばからはほとんどの試合がベンチスタートとなり、我慢を強いられ続けた。 それでも、3月のイゴール・トゥドール監督就任で状況が激変。鎌田の攻撃的な技術面や戦術眼だけでなく、プレスのタイミングやかけ方、走力など守備面の能力を高く評価する指揮官は、トップ下~守備的MFのファーストチョイスに抜擢。それに応えるように、鎌田自身もピッチで惜しげもなく自らの能力を解放。一気にゲームメイクの中心となった。だが、それも最後の10試合のことであり、シーズンを振り返ってみると悔しい結果になってしまったと言えるだろう。