「指導者が最もやってはいけないのは…」原晋監督が明かした“エース”の作り方…箱根駅伝の常勝軍団・青学大で徹底された“平等感”のヒミツ
大切なのは「誰にでもチャンスがある環境」
エースを、チーム全体を強くする存在にするには、とにかく「平等感」です。 しかし、そこに温情をさしはさんではいけません。かくいう私もそういう気持ちになるときはたしかにあります。大学4年間頑張ってきた一人の選手を、他の選手よりもタイムが悪いにもかかわらず、大会に出そうかと考えてしまうときがあります。あるいは調子が悪くても、過去の実績で選びたくなるときもあります。ただ、そういうときに「彼は4年間頑張ってきた」「過去の実績があるから」と言われて、ほかの部員は納得できるでしょうか? 温情が湧いた選手だけが頑張っているわけではありません。その選手を選ぶことで、同じように頑張ってきた別の誰かが選ばれなくなります。一度好タイムを出しておけばその後の約束手形がもらえるということなら、同期で実績のない選手のモチベーションが上がるわけがありません。 だからこそ、組織の中では常に平等感を前面に出すべきなのです。誰にでもチャンスがある環境こそが、チーム全体、組識全体を底上げするパワーになるのです。《第3回に続く》
(「Number Ex」原晋 = 文)
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