【バスケ】「勝つメンタリティを持たないと…」ベテランの古川孝敏が警鐘 勝率5割に戻った京都ハンナリーズが“台風の目”になるために
豊富な経験を共有「全員が一つになって戦いたい」
ただ、自己評価を聞かれた当の本人は「チームの勝ちにつながらなければ、なんとも言えないというのが正直なところです」と話し、連敗を重く受け止めているようだった。言葉を探しながら、ゆっくりと語った総括コメントからは、チームの現状に対する危機感がうかがえた。 「今日に限らず、昨日の試合も含めて、全て後手に回ってしまいました。同じ地区で、直接対決で勝ち切らないといけない力のある相手に対して、先手を取られるような試合をしてしまうと、やっぱり勝てません。もっともっと高みを目指してやっていきたいという思いを持っていますが、まだパフォーマンスとして追い付いていないというところが正直あります」 自身は「『気持ちが』という言葉で片付けたくない」と言ったが、やはりチームのメンタル、そして戦う姿勢に課題感を感じているようだ。「追い付いていない」部分について追加で聞くと、以下の答えが返ってきた。 「自分たちが強いメンタルで戦わなければならないという部分で、足りないところはあります。そこで相手にやられましたし、流れを持っていかれそうになった時に全員が下を向いてしまうような雰囲気もある。そこで我慢をして戦い切れるかということはすごく大事です。勝つメンタリティをしっかり持ってやらないと、厳しいと感じます」 他にも「相手にリードされてから自分たちが頑張る、ではもう遅い」「最低限、勝つメンタリティを持ち、そこに細かい戦術や相手に対するアジャストを積み重ねていくと厚みが出てくると思います」など、戦う姿勢を説き続けた。 Bリーグ初年度の2016-17シーズンに栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)で優勝を果たし、ファイナルの初代MVPに輝いた古川。その後に所属した琉球、秋田でも求道者のごとき安定したメンタルとプレーでチームをけん引し、長らく日本代表のジャージも着ていた実績十分のベテランの言葉は重い。 もちろん、言うだけではない。前述のように攻守で結果を残しながら、コート上でチームメートを鼓舞して「勝つメンタリティ」を体現しているように見える。それを将来性のある若手も多いチームに植え付けることが、自らの役割だという自覚もある。 「これまでいろんな経験をさせてもらってきたので、それをみんなに共有しながら、京都としてどういう強みを持って、全員が一つになって戦っていくのかをつくれるようにしたいです。それは僕ができることでもあると思うので、積極的にチームメートに声を掛けながら、みんなと一緒に作り上げていけたらいいなと思っています」 現状、オフェンシブレーティング(100ポゼッションでの平均得点)が115.1でリーグ4位に付け、攻撃力は申し分ない京都。一方、ディフェンシブレーティング(100ポゼッションでの平均失点)は113.9は19位の数字であり、36.4本で16位の平均リバウンド数と合わせて課題となっている。 古川が求めるような戦う姿勢がチーム全体に浸透し、より安定的にエナジーを持ったプレーができるようになれば、自然と改善していく部分も多いだろう。もう少しで折り返し地点を迎えるレギュラーシーズン。後半戦で京都が西地区の“台風の目”となり、ファンとCSへ「共に、登る」(今シーズンのチームスローガン)ためにも、試合に臨むメンタリティを一層強固なものにしていきたい。
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