ピコ太郎を提訴!? アップル社が「ペンパイナッポーアッポーペン」に異議申し立てを行ったワケ
特許庁はアップルの主張を一蹴
どう考えてもムリヤリ過ぎるこじつけだ。ここまでくると、アップル社は、アップルの本来の意味である「りんご」を忘れており、アップルと名の付くものはすべて同社のブランドの影響を受けていると思い込んでいるのではないかと疑ってしまう。 そのうち、聖書のアダムとイヴを描いた宗教画にも「当社のブランドを禁断の果実扱いしている」とクレームをつけ、パン屋に怒鳴り込んで「『アップルパイ』は『Apple Pay』から着想された便乗商品だ」などと言い出すかもしれない。 この異議申立は、特許庁によって全面的に退けられた。ピコ太郎の楽曲「ペンパイナッポーアッポーペン」がよく知られていることを踏まえれば、人々は、そこから「アッポー」ないし「アッポーペン」部分のみを単独で抜き出して意識することもないし、あまつさえ、それらを「アップル」ブランドや、「ApplePay」「ApplePencil」と混同することはないと判断されている。 またアップル社に便乗する意図があった証拠も見いだせないと一蹴されている。当然の判断といえよう。 ところで、アップルの販売するiPhoneなどに搭載されている人工知能ソフトのSiriに「ペンパイナッポーアッポーペン」と話しかけると、何度かに一回の割合で、「I have a Suica. I have an iPhone. Mmm...Apple Pay!」などと、替え歌を歌ってくれた。なんと、便乗だと主張した「ペンパイナッポーアッポーペン」に、自分は堂々と便乗しているのである。理解に苦しむ身勝手さといえよう。
友利昴