8年ぶりの「電子投票」で市長選 徹底取材で見えてきたメリットと課題 ネット投票の実現性は?
開票開始からおよそ1時間、無事に取り込みが完了しました。 午後9時半に始まった開票作業は、1時間40分で終了。 かかった時間は、前回の市長選とほぼ同じでしたが、トラブルはなく、電子投票による無効票は0票でした。 【四條畷市 選挙管理委員会 上嶋卓視事務局長】「安堵感が一番あります。他の団体(自治体)が電子投票を実施する試金石になればいいのではないか」 元市職員、銭谷翔さん(36)が当選し無事、成功に終わった「電子投票」. 今後、導入する自治体が増えるきっかけとなるかもしれません。
■電子投票のメリット・デメリットは
全国で8年ぶりに電子投票が行われました。 メリットは書き損じによる無効票が減り、電子投票ではゼロだったということです。 そして、開票所の人員がおよそ3分の1に。前回は80人だったそうですが、今回は27人だったそうです。 ただ、課題もありそうです。 投票所の人員は1.5倍増えました。前回は80人でしたが、今回初めてということもあり、端末のロックの解除などで117人が動員されました。 費用は、機器レンタル代などおよそ4500万円かかったということです。 例えば候補者が多い場合は、候補者名が1つの画面に収まらない。端末の画面をスクロールしたら、公平性が保てるのかという課題もありそうです。
【関西テレビ・加藤さゆり報道デスク】「いつも紙の開票を見ていたので、新しい景色だなと思って見ていました。林官房長官も会見で機運向上につながればいいとお話がありましたけれども、住民の中には、抵抗感がある方もいらっしゃると思いますし、定着するには回数を重ねないといけないと思います。住民には、丁寧な説明をしながら続けていく必要があるかなと思います」 【共同通信社編集委員 太田昌克さん】「投票率が近年低下しています。日本はどうしても震災と隣り合わせの国ですから、どうやって民主主義を強靭化させていくか。強くしなやかに民主主義を守っていく努力ですよね。今回の取り組みは最初の第一歩かなと思っていて、インターネット投票も視野に検討を進めればいいと思います。 エストニアの外交官と少しやり取りしたんですが、エストニアは、サイバーセキュリティの先進国でインターネット選挙をずっとやっているんですね。利点を聞いたら、まず投票所が遠い方、冬の時とか高齢者にとっては非常にいい。 海外にいても投票できる。コロナなどパンデミックの時代に備えられる。紙の投票用紙も用意していて、(電子投票と)両方やっているとおっしゃってました。戦後80年の民主主義をさらに発展させていくことを知恵を出して考えていきたいと思います」 デジタルインフラが整備されて安全性が確保されれば、新たな投票手段になるかもしれません。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年12月23日放送)
関西テレビ
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