「“自分に刃を向ける”作品に惹かれるんです」漫画家・鳥飼茜が愛読する活字作品【私の愛読書インタビュー】
――それこそ、現実の強度を感じさせられる作品ばかりでした。だからこそ、鳥飼さんをはじめとする作家さんたちが、フィクションに向き合う姿勢も改めて思い知らされたというか。 鳥飼 ただ、インタビューでもお話しましたけど、新作『バッドベイビーは泣かない』は、マンガを楽しく描くということを久しぶりに取り戻せている感覚があって。扱っているテーマに連なる現実に、向き合おうとすればするほど、自分には無理なんじゃないかと沈みそうになるけれど、私に描けるマンガのなかで、いちばん効果的だと思える手法を選んでいけばいいのだと気づきました。今日ご紹介した小説など、ほかの作品に刺激を受けながら、読者がおもしろく読める範囲で、私なりに一生懸命、胡椒をきかしていく作業を、続けていきたいなと思います。