昼寝前にコーヒーを飲むと、目覚めがよくなるってホント?
恩恵が得られないケースも
さらに、いくつかのケースにおいては、この理論のメリットを享受できないとされている。「30分経っても眠れない場合は、逆効果になります。時間が経ちすぎると、カフェインが作用して、目が覚めてしまいます」と、寝つきの悪い人にとっては効果が期待できないことをファラウト氏は説明する。また、日中に摂取したカフェインは、多かれ少なかれすぐに排出されるものだが、各々の代謝の体質にかかっているようだ。「カフェインの半減期、つまり吸収された物質の半分を排出するのにかかる時間は、平均して2~5時間ですが、代謝が悪い人の場合、排出に16時間かかることもあります」とネーリグ氏。「1日にコーヒーを何杯も飲んだら、排出時間は当然長くなります」。また、カフェインに対して、過敏な人がいれば、鈍感な人もいることも覚えておきたい。後者の場合は、残念ながら効果に期待できないだろう。 最後に、カフェイン睡眠が自分に合っているかを知るには、実際に試してみて、自分の意見を持つべきだとファラウト氏は締めくくる。「カフェインの持つ精神刺激効果に対して敏感な人は、長旅や夜勤の前にカフェインを摂って昼寝をすると、恩恵を受けることができます」。そしてこの方法がうまくいかない場合は、日中に散歩して、自然光を浴びることを提案している。睡眠と覚醒のリズムの同調機能を整えれば、エネルギーも回復して、目覚めのいい睡眠を得られそうだ。 ※この記事はフランス、マダム・フィガロからの翻訳版です。すべての研究データはオリジナル記事によるものです。 text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto