【世界限定500台】トライアンフ「ロケット3 EVEL KNIEVEL」RとGTの2種類で登場!
そして2024年、彼の息子であるケリー・クニーベル氏と、スタント界のレジェンド、ロビー・マディソン氏は、アメリカ・アイダホ州でボンネビルT120とロケット3でパレードランを披露している。 トライアンフ・ロケット3は、世界最大排気量の並列3気筒エンジンを搭載するメガクルーザーというだけでなく、トライアンフにとって歴史的伝統を受け継ぐモデルでもある。1960年代、大排気量かつパワフルな2気筒以上のシリンダーを持つエンジンのスーパーバイクとして、当時台頭してきた日本メーカーに対抗するために開発した並列3気筒エンジンを搭載する堂々たるフラッグシップだ。 しかしながら、元祖となるロケット3は、当時トライアンフがその傘下にあったBSAが1968年に発売したバイクにつけられた名だった。ただし3気筒エンジンを開発したのは、ノートンからトライアンフへ移籍した二人のエンジニアだ。そうした経緯を経て、トライアンフブランドからはロケット3と同時開発されたトライデントT150が発売された。この2台の基本的な車体構造は同じだが、トライデントのシリンダーがトライアンフ2気筒の伝統であるバーチカル(垂直)だったのに対して、ロケット3はやや前傾したシリンダーを採用するなど、細部が異なっている。 その後、トライアンフを吸収したBSAも経済危機により倒産。さらに紆余曲折を経て1980年代にトライアンフはバイク史から姿を消す。しかし1990年代に早くも復活し、新生トライアンフとして3気筒と4気筒を主軸にしたモデルラインナップで成功を収め、現在に至っている。 トライデントの名は1990年代の復活時に使用されていたが、ロケット3の名が復活したのは2003年。往年のロケット3とはシリンダー数こそ同じだが、2000cc以上の大排気量、シリンダーを進行方向に配列してクランクシャフトを縦置きにするレイアウトを持つクルーザーなど、まったく特性が異なるバイクとして生まれ変わった。現代のロケット3はトライアンフラインナップの幅の広さを如実に示すモデルであり、往年のような堂々たるフラッグシップとして確固たる地位と価値を確立している。