「これでは逃げられない」台風でまた洪水起きたらどうすれば…住民困惑 増やしてと要望したのに緊急避難場所が26→10ヵ所に激減
「あぜんとした」、約40年前の台風災害
同地区は、千曲川の堤防が決壊した1983(昭和58)年9月の台風10号災害で大きな被害を受けた。吉平さんは当時、地元の消防団員として現場に駆け付けた。千曲川からあふれた水がみるみる水田をのみ込む様子に「あぜんとした」。
追加の要望出したのに…
地域の歴史も踏まえて同区長会は2月、災害時は多くの避難者が見込まれるとし、同地区向けの指定避難所を追加するよう求める要望書を市に提出した。ただ市側は回答書で、「指定避難所は可能な限り集約し、職員を集中的に配置する体制にした」などと説明。要望には応じなかった。
吉平さんが区長を務める瑞穂地区柏尾区は、地元の一時避難所を拠点に本格的な防災訓練を企画。住民主体の防災力向上を急ぐ。副区長の岸田修さん(70)は能登半島での地震や豪雨など、台風19号以降も各地で相次ぐ災害に危機感を強める。要支援者らの迅速な避難誘導に向け、地域住民の顔を知っている地元側と、避難所に派遣される市職員との連携が欠かせないと強調。「日常的に双方がタイアップして訓練をしていかないといけない」と話した。