シーズン到来! 今年の上海蟹はワインと一緒にペアリングが正解
上海蟹の2皿✕クリーンなオレンジワイン
秋の上海蟹コースは中盤に上海蟹小籠包、後半に上海蟹の黄金雑炊が付き、旬の上海蟹をさまざまなかたちでいただける。
上海蟹小籠包は、みそを彷彿させる鮮やかなオレンジ色の皮が食欲をそそる。もちろん、中にはぎっしりと上海蟹の身が詰まっている。そのため、黒酢と生姜が添えられていない。「何もつけず、蟹そのものの味を堪能してください」と皆川さん。上海蟹のおいしさがしっかりと感じられる自信作だ。
上海蟹の黄金雑炊も小籠包と同様に、上海蟹のほぐした身やみそをたっぷりと使った一品。黄金雑炊の具材は、上海蟹のほかは卵のみ。味付けも塩こしょうのみと上海蟹の濃厚なうまみが熱々でいただける。さらに長時間、その味わいが続くよう石焼き鍋で提供されるのもうれしい。
上海蟹がたっぷり入った2品のペアリングは、ギリシャのオレンジワイン。「こちらのワインはアンフォラで発酵してからステンレスで熟成させたオレンジワインです。ブドウのうまみがおだやかなので、蟹のうまみに寄り添うように濃厚な風味をしっかり引き立ててくれます」と永冶さん。ペアリングの法則として色が似ているものはよく合うとされている。上海蟹とオレンジワインはお互いのうまみがバランスがよく調和する絶品のマリアージュだった。
永冶さんの「私が恋した自然派ワイン」
永冶さんが恋したワインは、日本ワインの良さに気づかせてくれた一本。 「こちらは山梨の勝沼醸造というワイナリーのもので、生産者が来店されてお話を聞いたこともあります。甲州のパイオニアとしても知られ、日本のぶどうのアロマをどこまで引き出せるか、ワインを売っていくためにいろんなことを考えている素晴らしい生産者です。
こちらのワインは低価格ながら品質がずば抜けています。甲州の中では、華やかな香りが強く、甲州由来の洋梨や白桃、ライムの香りがしっかり引き出されています。シュール・リー製法のうまみもありつつ、酒質はさっぱりしています。ぜひボトルで飲んでいただきたいワインです」