年齢とともに扱えるモノの量も限られる。エネルギーがある今のうちに生活を立て直す!自分ファーストの〈小さな暮らし〉とは?
◆家の玄関には「ゴールデンゲート」がある 家の中にある多くのモノは、「あってもいいけど、なくてもいいもの」です。 どうして、こんなどうでもいいものが家にたくさんあるのかと、ため息が出ます。 まずは、「モノを安易に家に入れない」と決めることから始めます。 話題の100円ショップをウロウロしていると、「あってもいいな」と思うものばかり。 安い! 便利かも! と思って次々に手に取っていくと、たとえ100円でも積もり積もって3000円近くになっていました。そして、気に入ったものは100円ではなく、500円だったということも。 低価格のショップは、1人当たりの購入数が多いから商売が成り立っていることを忘れてしまいがちです。 一方でハイブランドショップは、1人当たりの客単価が高いので、お客様はじっくりと吟味して買われます。私は、お客様の「安易に買わない姿勢」を間近で見てきました。 お金持ちだと思われている方ほど堅実で、無駄な買い物をしません。 納得するまで、見て、着て、何度も手に取ってから購入されますし、時間をかけて選ぶことは当たり前でした。 それを思い出し、100円ショップでも、レジに行く前にもう一度立ち止まって、「これって、本当に必要?」と、自分に訊いてみます。そして、「迷ったら買わない」と決めます。
◆ゴールデンゲートの通過基準 家の玄関には、「ゴールデンゲート」があると想像して、「これは、あのゲートをくぐる価値があるか?」と、常に精査することが、「安易に家に入れない」ことにつながります。 「ゴールデンゲート」の通過基準は、「いま、必要か」と「お気に入りかどうか」です。 そして、家にある「あってもいいけど、なくてもいいモノ」を集め、箱に入れて、いったん、見えないところに置いておきます。きっと、永遠に、この「2軍箱」から出すことはないでしょう。私も衣替えの季節や年末の大掃除時期に、この2軍箱を開けて、一つひとつ取り出してみます。 「あ、このカーディガンがあったな」と、また1軍のクローゼットに復活させても、やっぱり一度も袖を通すことなく、2軍箱に逆戻り。2軍箱の中は「高かったなと思うブランド品」「あのとき着ていた思い出の品」「友人からもらったお祝い品」など、長く生きてくると、思い出の品は溜まるばかりです。帰ってこない時間への執着もあります。 けれど、この執着こそが、モノが捨てられない大きな要因です。 執着を捨てるには、「えいっ!」と覚悟を決めることです。誰もが、思い出のモノとの記憶、きらきらと輝いていた時代が懐かしく、モノを見ていると、あの頃の気持ちが蘇ってくるのではないでしょうか。 けれど、時間は確実に流れています。それらのモノとは、「いまの自分には、もう似合わない」と決別する決心が必要かもしれません。
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