「華族の末裔で有名人の知人も多い」50歳夫の出自に惹かれた40歳妻が抱いた「疑惑」
「旧華族の血を引く名門」
今回の依頼者・優里さんは、結婚半年の新婚です。現在、夫の持ち家である東京都心の高級住宅街にある邸宅に住んでいます。 優里さんは小さな顔に大きな目が印象的な女性です。スタイルが抜群で、名門大学を卒業して大手企業に勤務しています。 「主人のことを調べて欲しいんです。10歳年上の主人とは友人の紹介で知り合いました。母親が旧華族の血を引く名門で、先祖は貴族院(1890〈明治23〉年から1947〈昭和22〉年まで存在した帝国議会における特権階級で構成される上院)の議員を務めていたといい、写真も見せてもらったのに、どうも違うようなんです」 優里さんはバッグから小さなアルバムを出しました。そこには、端正な顔立ちをした筋肉質の男性が、有名芸能人、ハリウッドスター、元総理大臣などと肩を組み、親指を突き出している写真が30枚程度入っていました。 「この人が主人です。代々化学薬品関連の企業を経営しています。戦前からの名門企業なんですが、BtoBなので一般的には知られていませんし、サイトもありません。主人は次男なのでこの会社で役員をしており、高額な報酬を得ています。その割には、私に生活費をくれません。結婚前は“子供が欲しい”と言っていたので、妊活を提案すると、言葉を濁すんです」 優里さんはさらもう1冊のアルバムを出しました。そこには、軍服を着て勲章をつけた軍人、鹿鳴館風の首が詰まったドレスを着た日本女性の肖像画などがありました。夫の家の由緒正しさを裏付けするような発言を繰り返しています。それがどうも引っ掛かり、「なぜ、こんな写真を持ち歩いているんですか?」と質問すると、「私、出自コンプレックスがガチなんです」と言います。
「出自コンプレックス」の理由
「私の祖父母は、日本では強烈に差別されていた国の出身なんです。父は子供の頃から壮絶ないじめに遭い、文字通り“半殺し”にされたこともあったそうです。それで、父は中学校からアメリカに留学したんですよ」 それができたのは、祖父が貸金業を営んでおり、莫大な財産があったから。 「貸金業も昔は差別されていたじゃないですか。私の母は日本人なのですが、両親と絶縁して父と結婚したようです。だから私は母方の祖父母に会ったことがないんです。そんな私を両親は心配し、比較的のんびりした雰囲気の名門大学附属の小学校に入れてくれて、そのままエスカレーターで卒業しました。とはいえ、私の出自がバレると距離を置かれたり、見下す人もいましたよ。そんな人を見返そうと、結婚を頑張ることにしたのです」 優里さんは大学在学中に婚活をスタート。旧藩主、旧幕藩の血を引く男性と交際をしましたが、出自がバレると破談になったそうです。 「男性にはモテましたし、お金がある男性からプロポーズもされました。が、地方出身だったり、成金だったりする人とは遊びで十分。結婚したいのは、由緒正しい家の男性なんです。それで、ずっと結婚しなかったのですが、30代最後に主人と知り合い、逆転ホームランを打ったのです」