【ABC特集】「前澤直伝お金論」「財産の増加を実現するお手伝いをいたします!」 SNSに蔓延する著名人の”なりすまし”広告 被害者たちがSNS運営会社を提訴も・・・進まぬ対策
4月25日、投資詐欺に遭った被害者4人が神戸地裁で訴えを起こしました。訴えた相手はfacebookなどを運営するメタ社の日本法人。メタ社が運営する著名人の「なりすまし広告」を入口に、お金をだまし取られた人が全国で相次いでいることで、十分な対策を取らなかったとして損害賠償を求めています。
無断で写真を使われた著名人たちは怒り
無断で名前や写真などを使われた著名人もメタ社に対し怒りの声を上げています。 (堀江貴文氏) 「削除しろ削除しろってもう1年以上言ってんすよ」 (前澤友作氏) 「1点でもそういう広告出してはダメだと思うんですよね、プラットフォーマーさんとして」 SNSに蔓延する著名人の“なりすまし”広告。そこから始まる投資詐欺の実態に迫りました。
半信半疑ながら手がのびてしまう「投資詐欺」
関東地方に住む30代のAさん。妻と子どもの4人で暮らしています。 (被害にあったAさん) 「投資とか、つみたてNISAとか、いまの給料ではとても食べていけないというか。もっと家族にいい環境を提供してあげたいと思ったのがきっかけですね」 “将来の生活”に不安を抱えていたAさん。投資に興味を持ち始めた去年9月、Aさんのfacebookにある広告が流れてきました。そこに書かれていたのは・・・ 「前澤直伝お金論」 「財産の増加を実現するお手伝いをいたします!見逃さないでください!」 (被害にあったAさん) 「広告のうたい文句で著名人の方が出ていて、最初は半信半疑だったんですけど」
半信半疑の気持ちを抱きながらも、Aさんが流れてきた広告にアクセスしたところ、実業家をかたる人物にLINEグループに招待され参加しました。すると、投資に関する情報が日々送られるようになり「AIの自動取引ツールで資産の運用ができる」などといううたい文句に惹かれ、投資することを決意したといいます。 (被害にあったAさん) 「1カ月1000ドル(被害当時:日本円約15万円)から始められます。次に投資に進むか辞めるかっていうのはご自身で考えてください、みたいな最初はそんなんだったんですけど。」 15万円を振り込むとすぐに年利8%、1万2000円以上の儲けが出たと連絡が。そして、実業家のアシスタントを名乗る別の人物から「利益が規定に達したのでさらなる投資をしないか」などと話をもちかけられました。 (被害にあったAさん) 「ちょっと僕は欲がでてしまって、当時のレートで150万円ぐらいだったんですけど、それを突っ込んでしまって。周りには怪しいよ、気をつけなとは言われていましたけど、ちょっとした洗脳状態にはあったと思いますね」 その後も「利益が出ている」などと連絡を受けていたAさんはその言葉を信じ、3カ月で約1100万円を振り込みました。年末になり、お金を引き出そうとしたところLINEに思わぬ文面が届きます。
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