タイタン探査ミッション「ドラゴンフライ」ドローン型探査機はファルコンヘビーで打ち上げ
アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年11月25日付で、「New Frontiers(ニュー・フロンティア)」計画4番目のミッション「Dragonfly(ドラゴンフライ)」の打ち上げサービスを提供する企業としてSpaceX(スペースX)を選定したことを発表しました。 土星の衛星「タイタン」特集 地球外生命も期待される天体 NASAによると、Dragonfly探査機はアメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターからSpaceXの「Falcon Heavy(ファルコン・ヘビー)」ロケットで打ち上げられる予定です。打ち上げ期間は2028年7月5日~2028年7月25日です。
Dragonflyとは
Dragonflyは土星の衛星タイタンの探査を目的としたミッションです。全長3.85m・重量875kgの探査機はタイタンの表面を移動しながらデータを収集し、タイタンの生命居住可能性の評価、炭素に富む物質が液体の水と長期間混ざり合っていた可能性があるタイタンにおける前生物化学的なプロセスの調査、水と炭化水素から成り立つ生命が存在していた可能性を示す化学的兆候の探索が行われます。 探査機の最大の特徴として、タイタンの表面を走行するのではなく、8つのローターを使用して濃い大気に覆われたタイタンの空を飛行することが挙げられます。動力源にはバッテリーと放射性同位体熱電気転換器(Radioisotope Thermoelectric Generator: RTG、原子力電池の一種)が採用されており、8日間の充電で約30分間の飛行が可能とされています。 探査機には科学ペイロードとしてカメラ「DragonCam」をはじめ、質量分析計「DraMS」、サンプリングドリル「DrACO」、ガンマ線・中性子分光計「DraGNS」、地球物理・気象観測装置「DraGMet」が搭載されます。なお、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所(JHU/APL)が管理している探査機の開発には日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)も参加しており、DraGMetの地震計を担当しています。 Source NASA - NASA Awards Launch Services Contract for Dragonfly Mission JHU/APL - Dragonfly
sorae編集部