日米共同開発の極超音速迎撃ミサイルGPI、ノースロップ・グラマン選定
ノースロップ・グラマンは、米国ミサイル防衛庁(MDA)と協力し、GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)の生産を始めると発表した。極超音速ミサイルの脅威に対抗するもので、日米両国政府による開発プログラムに同社が参画する見通し。これまで同社とレイセオンが提案していた。 【画像】GPIのイメージ GPIプログラムは、3年にわたり開発。既存の脅威だけでなく、将来的に出現する可能性のある極超音速ミサイルにも対応可能な設計になっている。ノースロップ・グラマンの現地時間9月25日の発表によると、次の段階でさらに設計を進化させ、VLS(垂直発射システム)を用いた発射能力の強化を予定している。VLSは、弾道ミサイル防衛を担うイージス駆逐艦やイージスアショアに搭載されている。 また、システムの初期設計レビューに先立ち、極超音速ミサイルが飛行する環境下でのシステムパフォーマンスを実証し、予定よりも早い段階で飛行試験を完了させる計画を進めている。デジタルエンジニアリング手法を活用し、設計プロセスを迅速化することで、迎撃ミサイルの能力向上を図る。 ノースロップ・グラマンのGPIには、脅威を追跡し精密に破壊するシーカーや、再点火可能なエンジン、高高度での迎撃が可能なデュアル・エンゲージメント・モードといった先進技術を搭載する。 防衛省によると、MDAはGPIの開発を2021年に開始。日米両国は共同開発を2023年8月に決定し、今年5月にプロジェクトの取り決めに署名した。今後は2030年代の開発完了を目指し、日米共同開発を進める。
Tadayuki YOSHIKAWA