【ABC特集】子どももお年寄りも・・・ みんなが待ってる月1の移動図書館 兵庫・たつの市
兵庫県たつの市に、ちょっと変わった車が走っています。その車の正体は「移動図書館」。たつの市は南北に長く交通の便もあまりよくないため、図書館から離れた地域への住民サービスとして1980年に始まりました。43年たったいまも変わらず、地域の人たちに本を届けています。
ある日の兵庫県たつの市立新宮図書館。午前10時頃、大急ぎで本を積み込みます。この日の担当は新宮図書館の職員・梅村かほりさん(47)。 (記者)「積み込んでるのは何の本ですか?」 (梅村さん)「季節の本だったりとか、その年代でよく出る本ですね」 梅村さんは移動図書館の仕事に携わって15年。長年の経験から、行き先によって子どもたちの本の好みが違うので、持って行く本を変えると言います。 (梅村さん)「ここの保育園は妖怪が人気と聞いたので妖怪が出てくる絵本を・・・とかそんな感じです」
現在は、たつの市内53カ所へ、毎回2000冊の本を届けています。 (記者)「最も遠いところで片道どれくらいかかるものなんですか?」 (移動図書館職員)「50分くらいですね。月に14日間、走行距離は月間570kmくらい。ずっと走っています」
別の日、「移動図書館」はたつの市の港町、御津町室津にやってきました。 (町内放送)「ただいまから午後2時20分まで本の貸し出しを行います」 「移動図書館」が来るのは月に1度。町内放送が響き渡ると本好きの皆さんがやってきます。 (記者)「本はお好きですか?」 (利用者の女性)「好きです。小さい時から移動図書館を楽しみにしとるんです。毎月カレンダーにいつ来るか書いてな」 腰を患っている女性(83)は、自力で遠出するのが難しいことから、移動図書館を楽しみにしていると言います。 (83歳の女性)「月に1回やけどずっときてる。ずっと読んでる。たくさん借りてね」 女性が選ぶ本のジャンルは・・・ (83歳の女性)「サスペンスが好きで、ちょっと頭をひねって誰が犯人かなとか。西村京太郎とか今野敏が好き」
梅村さんは移動図書館で人と本が出会い、喜びや楽しさに繋がることにやりがいを感じています。 (梅村さん)「しんどいなと思っても、本を開いて言葉であったりとか写真を見てもらって、元気な気持ちになったりとか、本に出会って毎日がちょっとでも楽しくなったりとか、元気になったらいいなと思います」 移動図書館はみんなに本の楽しさを届けるために、きょうも走り続けます。
【関連記事】
- ▶スーパーマーケットは生き残りをかけ「小型化」へ 滋賀の雄「平和堂」も大阪・茨木市に小型スーパーを出店 少量販売など地域のニーズに応える戦略でコンビニとの差別化もはかる
- ▶「始めるより続けるほうが大変」 閉局が続く地元密着のコミュニティFM 苦しみながら再び開局した尼崎市のFMに密着
- ▶「限界です、正直言いまして」(バス会社社長) 「全国の路線バス事業者のうち黒字を出しているのは6%ほど」(専門家) 運転手不足に乗客減少で路線バスがピンチ!
- ▶「人って皆さんいつかは亡くなられますし」 事件・事故などで亡くなった人が住んでいた家「事故物件」がいま人気!?
- ▶患者の数は160人!直前には患者の容態急変も・・・ 救急指定病院の引っ越し大作戦に密着