【ABC特集】「始めるより続けるほうが大変」 閉局が続く地元密着のコミュニティFM 苦しみながら再び開局した尼崎市のFMに密着
3月に閉局した「エフエムあまがさき」
ことし3月31日、惜しまれつつも閉局した、兵庫県尼崎市のコミュニティFM「エフエムあまがさき」。尼崎市から運営元への委託金約4000万円が打ち切られたことが理由でした。 これは尼崎に限ったことではありません。関西では「FMひらかた」が2022年に、「FMもりぐち」が2023年に閉局し、八尾市の「FMちゃお」も2024年で閉局する予定です。 【動画で見る】【1年2ヵ月密着】閉局のコミュニティFM 新たな形で復活へ 女性パーソナリティらが奮闘【newsおかえり特集】
どうにかして復活させたい。エフエムあまがさきのパーソナリティの1人だった三宅奈緒子さん(44)が、その思いを胸に立ち上がりました。といっても、三宅さんはあくまでもパーソナリティで、経営のことはまったくの素人。そこで、尼崎市内の経営者たちに意見を求めました。
尼崎の経営者たちからは厳しい意見
(三宅さん)「ラジオに対してどんなふうに思ってらっしゃるのかとか、新しいラジオの見せ方みたいなものですとか、ぶっちゃけ資金の集め方だとかを教えていただきたくて」 (特発三協製作所・片谷社長)「必要なのは新しい価値なんですよね。三宅さんたちがやっているような協賛金を募る形は昔の価値提供なんですよ。これから違うやつでいかんと・・・」 厳しい声があがります。一方で・・・。 (フューズエナジー・藤田社長)「FMラジオは情報としては地域に特化しているけど、インターネットとか、いろんなメディアを使って発信するという形でローカル総合メディアというふうに設定し直したらどうですか」
そんな提案をしてくれたのは「企業のサステナビリティ」を促進する会社、「フューズエナジー」の藤田勝彦社長(52)です。電気や空調設備の会社も経営しています。 (フューズエナジー・藤田社長)「三宅さんの『どうしてもなんとかしたい』という気持ち、熱意というか、そこが根底にあるんですけど、何かできひんかって経営者の血が騒ぐというか、よしなんかやったろかという気持ちにさせられましたね」
出演者は「市民」
三宅さんも、ただ手をこまねいているだけではありません。復活に備え、新しい番組を企画していました。声をかけたのは、番組のリスナーや取材で出会った人たちです。 (三宅さん)「私はあまびと(尼崎市民)の皆さん方がすごく面白くて魅力的で個性的だということを十分に知っているつもりなので、皆さん方のおしゃべりの才能をラジオで発揮していただきたいと思い、輝いてほしいと思っているんです」 パーソナリティは一般市民。出演料は出ませんが、35人が加わることになりました。17歳の高校生から、三宅さんの番組のリスナーという78歳の男性まで、個性豊かなメンバーがそろいました。