筧利夫、『室井慎次』12年ぶり再会に「そう来たか」新城のセリフは“ぼやきモード”に修正
「『黙秘ですか』というところも、『黙秘か(室井の口真似で)』って。本当は、室井さんが困るとよくやっていた(舌で頬を左右交互に膨らませる)動きもやろうと思ったのですが、あのときは室井さんがやっていなかったからやらなかった(笑)」。筧はその動作を自身の芝居に取り入れ、ほかのドラマでも逡巡(しゅんじゅん)するときに使っていたという裏話も打ち明けた。
新城は「室井さんの片腕になるべく現れた」
筧と柳葉が共演するのは、映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012)以来、実に12年ぶり。今作のクランクインは『敗れざる者』に続く『室井慎次 生き続ける者』(11月15日公開)に登場する秋田の海岸のシーンだった。「スーツ姿ではなく、ジャンパーみたいな上着を着ていて、最初は『柳葉さんだ』って感じだったんですけど、リハーサルをしていくうちに、声のトーンも含めてどんどん室井さんになっていくんです。『すごい! これだ!』みたいな感じはありました」と感動した筧だが、「その日に先ほど話した料亭のシーンも撮ったんです。久々の撮影なのに、初日にハードなシーン2つも(笑)」と笑顔でぶっちゃけた。 12年ぶりの新城役だが、役に入るうえで苦労はなかった。「これまで演じた回数が1回や2回ではないので、新城の衣装を着て、室井さんを見れば大丈夫でした」と自信たっぷりの筧は、「衣装も、昔の新城と同じタイプのタイトなスーツと、ダブルのズボンを用意してくださっていました」と感謝しつつ、「ただ、現場で革靴を履いて合わせいたら、ズボンの丈が短くて『あれ?』って。リハーサルが終わって、スタッフに全身映るか聞いたら『おそらく映ります』っていうから『これはまずいぞ』と(笑)。すぐ控室に戻って、衣装さんに折ってあるところを伸ばしてアイロンをかけてもらって、なんとか乗り切りました。シングルのズボンだったらアウトでした。かなり慌てました」と振り返った。
自身から見ての新城は、「室井さんの片腕になるべく現れたと思います」と語る。新城と室井の関係性について、筧は自身で設定を作っていた。「以前から言ってますが、僕の中では室井さんは新城と同じ学校で2個上の剣道部の主将なんです。室井さんはちょっと学力が足りなくて東北大に行ったけど、新城はその後に主将になって、こちらは東大に行けた。だから、敵対はしているけど、心の中で『先輩は昔はこんなじゃなかった』みたいなもどかしさを抱えているんです。勝手に考えた設定ですけど(笑)」と告白した。