【明日朝の送迎から我が子の確認を!】 JAFが学童用チャイルドシートの使用推奨を「150cm未満」へ変更
チャイルドシートを正しく装着しているのは、約3割!?
道路交通法により、平成12年(2000年)4月1日から6歳未満の乳幼児にはチャイルドシートを使用することが義務化されている。だが、実情はどうなのだろうか。 【写真】JAF(日本自動車連盟)が開催した説明会の様子をみる。 (46枚) JAFの調べによると、チャイルドシートの使用率は、7割強といったところ。それも子どもの年齢が上がるにつれて、装着率は低くなっている。そして、チャイルドシートを正しく装着しているのは、そのうちの7割ほど。 さらに、その4割ほどの子どもは正しく着座していないという。つまり、チャイルドシートを正しく装着して、子どもを正しく着座させているドライバーは、3割ほどになってしまうことになる。 車内で子どもを事故から守ることができる唯一の方法は、チャイルドシートを正しく装着して正しく使用すること。それゆえ、JAFでは適正なチャイルドシート使用の啓発を行っている。 チャイルドシートには大きく分けて、1歳くらいまでの赤ちゃんが寝た状態で着座できる「ベビーシート」、1歳くらいから3~4歳くらいまでの子ども用の「チャイルドシート」、3~4歳以上を対象にした「ジュニアシート」がある。今回は、このジュニアシートを中心に話を進めよう。
150cm未満の大人にもチャイルドシートは必要?
前述のように、道路交通法では6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務づけられているが、6歳以上であっても子どもの体格によってはクルマのシートベルトが十分な効果を発揮できない場合がある。 そこでJAFでは体格の目安を「140cm未満」として、学童用チャイルドシート(いわゆるジュニアシート)の使用を推奨していた。 なお補足になるが、ジュニアシートは背もたれ付きのタイプと座面だけのブースタータイプがある(背もたれを外して座面だけにできるものが多い)。体格に応じて、身長140cm未満の子どもには、背もたれ付きもしくはブースターのジュニアシートの使用を推奨していた。 しかし、数年前から交通安全を推進している団体や企業によって、体格の目安が「135cm未満」、「140cm未満」、「150cm未満」とバラツキがあった。そこでJAFでは、学童用チャイルドシート使用の体格の目安について、交通安全を推進している企業や団体と協議した結果、その目安を「150cm未満」とすることに決定した。 ただし、この身長はあくまで目安である。本来は「シートベルトが首にかからない」ことが重要なのだ。140cm未満の子どもではシートベルトが首や腹部にかかる恐れがあるため、今回、推奨を150cm未満へと引き上げて啓発を行うという。 ところで、150cm未満とすると、小柄な大人で150cm未満の人もいる。その人たちもチャイルドシートを使用したほうがいいのだろうか? これについてJAFでは、大人は身長が150cm未満でも子どもに比べて体格や骨格がしっかりしており、自分でシートベルトや座席の高さ、シート角度などを調整することができるから、その必要はないとしている。 いっぽう、子どもはそういった知識も少なく、大人と比べて交通安全の意識は低いため、大人が子どもを守るためにも、体格に合ったチャイルドシートを選択する必要があるのだ。