築67年の古民家に「移住してよかったこと」。不便になっても時間のゆとりは増えた
京都でのマンション暮らしをやめ、3年前に家族で淡路島にある築67年の古民家に引っ越した、整理収納アドバイザーのひでさん(44歳)。家族5人、広々とした空間で、ゆったりとした時間の流れる島暮らしの様子をインスタグラムで発信し、人気です。しかし、憧れて住み始めた古民家は、思い描いていたものとは違う所もあったそう。そこで、古民家への住み替えのメリット・デメリットを伺いしました。 【写真】リフォーム前のリビング
憧れていた田舎暮らし。動き出したらすごい勢いで実現!
「引っ越す数年前から、“縁側のある家に住みたいね”なんて話を夫婦でよくしていました。DIYをして、古い家を自分たち好みに住みやすくアレンジしていくことにも憧れがあったんです。福岡や長崎、五島列島など、気になる地域に旅行がてら、移住の下見をしたりもしていました」 同じころ、同じマンションの隣同士に住んでいたひでさんの両親も、田舎暮らしがしたいと考え始めていたそう。 「父が海の見える家に住みたいと言い出して。でも、田舎に引っ越すなら、いま住んでいるマンションを売って資金にしなければいけません。きっとすぐには売れないだろうからと、わが家と両親の家を売りに出すことにしたんです」 ところが、予想に反して、マンションがすぐに売れることに。 「両親の家が先に売れてしまい、早く移住先を決めて出ていく必要に迫られました」 たまたまテレビで紹介されていた淡路島の暮らしにピンときて、不動産屋さんのサイトを通して連絡。気になった物件の下見に行ってみると、ちょうど空きが出たばかりという、サイトにはまだ出ていない物件を紹介されました。 「そこがドンピシャ! という感じで、即決でした。淡路島というのはそれまで考えていなかったのですが、訪れてみると環境がよく、これまで住んでいた京都から、それほど離れていないのも安心感がありました。話はトントン拍子ですすみ、移住をしようと決意した3か月後には、家を出ていたのです」
リフォーム前の古民家暮らしは過酷。寒くて涙が出てきたことも…
引っ越し先の古民家は、すぐに断熱や水回りのリフォームをして住もうと考えていました。ところが、前のオーナーが置いていったものがたくさん残っていたこともあり、リフォームを始める前の片づけや準備をするのにひと苦労。 「残されたものをいったん倉庫に集め、分別したり、ものの整理を進めたり…。リフォーム前の古民家暮らしは、断熱材が入っていないために寒く、お風呂やキッチンも古く使いにくくて、想像していた以上に過酷でした。ガタガタの戸から隙間風の入ってくる寒い部屋で過ごしていると、思い描いていた暮らしとは程遠い現状に、涙が出てきたことも」