カナダ首相辞任で後継争い始まる-前財務相や前英中銀総裁ら有力
昨年12月中旬、トルドー氏はカーニー氏が内閣入りで合意したと確信し、同月13日にはフリーランド氏に別のポストに起用する意向を伝えた。だが、その3日後にフリーランド氏は辞任を表明した。
自由党の党首選ではカーニー氏の経済に関する経歴が際立つだろう。同氏は10年余りにわたりゴールドマン・サックス・グループに勤務。ロンドン、東京、ニューヨーク、トロントを渡り歩き、アナリストとして勤めた後は、ソブリンリスク、デット・キャピタル・マーケット、コーポレートファイナンス、投資銀行業務に携わった。
08年2月、42歳でカナダ銀行(中央銀行)総裁に就任。その数カ月後にはリーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融システムが危機に陥る中で、対応のかじ取りを担った。
その後、20カ国・地域(G20)の中銀や監督当局で構成する金融安定化理事会(FSB)の議長に就任。13年にはイングランド銀行(英中銀)の歴史で初めて外国人として総裁に就いた。
カーニー氏は現在、ブルックフィールド・アセット・マネジメントとブルームバーグの会長を務めている。
カーニー氏は自由党の党首選への出馬を検討していると発表した。
ドミニク・ルブラン氏
ルブラン氏(57)は2000年に初当選を果たしたベテラン国会議員で、トルドー家とのつながりは幼少期までさかのぼる。1970年代、ルブラン氏の父はジャスティン・トルドー氏の父、ピエール・トルドー内閣で閣僚を務めた。
ルブラン氏は子どもの頃、ジャスティン・トルドー氏のベビーシッターをしており、カナダで最大の人口を抱えるオンタリオ州のフォード首相がかつて、ルブラン氏は今でもその役目を果たしていると冗談を飛ばしたことがある。
ルブラン氏は今もなおトルドー氏の最も近しい側近で、フリーランド氏の辞任後に財務相に起用されたことからもそれがうかがえる。昨年11月、トランプ氏がフロリダ州に持つ邸宅「マールアラーゴ」で開かれた同氏との夕食会でもトルドー氏と共に出席した。一方、フリーランド氏は同席しなかった。