昨年の失敗を糧に開幕前から意気込むレイカーズ・八村塁「すべてのポゼッションに集中」
今年のロサンゼルス・レイカーズは、昨年とは一味違うかもしれない。ロスターにこそ大きな変化はないが、コアを維持したチームは指揮官にテコ入れを施し、JJ・レディック新監督を招聘。40歳の若きヘッドコーチは、開幕までの時間を最大限に有効活用することに注力しており、現地メディア『The Athletic』のヨバン・ブハによる「取材をして5シーズン目だが、レイカーズがこれほどボジティブで明るい雰囲気に包まれていた記憶はない」とコメントしている。 【動画】八村塁が2試合連続2ケタ得点! 豪華ダンクを含むプレーダイジェスト映像 2024-25シーズンの球団の成功に不可欠とされる八村塁も、キャリア6年目を迎えて心身ともに成熟期を迎えている。10月12日付けで『HoopsHype』が紹介したレイカーズの選手レーティングでは、八村がチームトップの9.62を記録。これは2位のジャクソン・ヘイズに1.92、レブロン・ジェームズに3.51も差をつけるレートであり、チームにおける責任と存在感は数字にも表れている。 昨年のレイカーズはお世辞にも成功したとは言い難い。カンファレンスファイナルに進出した2022-23シーズンから一転、ウェスタン・カンファレンス8位でプレーイントーナメントを戦い、ポストシーズンはデンバー・ナゲッツに見せ場なく敗退。八村は『Spectrum SportsNet』で開幕から調子が上がらなかった理由について言及しており、プレシーズンの練習の重要性と、それが今後のシーズンにどのような影響を及ぼすかについて、自身の考えを述べている。 「シーズン開幕前にもそのことについては話したと思いますが、今年は細部にこだわる一年になるでしょう。プレシーズンであろうとなかろうと、すべてのポゼッションに集中するつもりです。僕らにとっては、それがひとつの練習になります。まだあまり練習はしていないので、このような意識はシーズンに向けて良いリズムを掴むための助けになります。昨シーズンも最初の30、40試合を無駄にして散々な結果でしたが、その後は立ち直ってプレーオフに進出しました。しかし、今年も同じことができるとは思わないので、しっかりと調子を整え、シーズン開幕時から良いプレーをする必要があります」 レイカーズはプレシーズンマッチを3試合消化して1度しか勝利がないが、現段階における優先事項は新たなコーチ陣が構築したシステムやルールをチームレベルで理解し、それを実行かつ浸透させることにある。 その一例として、八村のリバウンドが挙げられる。レディックHCは、同選手に対して積極的なアウトサイドショットとリバウンドを求めている。それは早くも結果に反映されつつあり、八村は昨シーズンの平均リバウンド数が4.3本だったのに対して、プレシーズンでは平均6.3本をマーク。また、3ポイント試投数も3.0本を維持しており、成功率は44.4パーセントと好調だ。 八村やディアンジェロ・ラッセルは、ダービン・ハム前監督の下では集中力と組織力が欠如したことを示唆していたが、レディックHCの政権ではそれらが改善され、規律を重んじる文化が生まれつつあるように思える。球団文化の変化はレイカーネーションが歓迎すべきものであり、八村のコメントからは力強いシーズンスタートへの意気込みがうかがえる。 レブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスというリーグ屈指のタレントはもちろんのこと、ベンチにも潤沢な戦力が揃っており、チームの健康とムードが維持できればレイカーズのタイトル奪取は現実的な目標となる。 八村はNBAファイナル行きの切符、そしてキャリア初のリングを自らの手で掴もうと、高いインテンシティーをキープしている。 文=Meiji
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