「電車の中でウトウトしているビジネスパーソンを見ると……」Travis Japan・川島如恵留がどんなに忙しくても文をつづり、学習し続ける深い理由
● 明日に「ノイズ」を持ち越さない 日記で自分と対話する 田中 その場合、そのノイズを取り除くお手伝いをして、脇道へそれるのを防いだり、「行きたい目標はここですよね」と確認しながら対話したりするんです。 川島さんは文章を書くことで、ご自身でご自身にコーチングしながら、目標へ向かっていっているのですね。 川島 家族やごく親しい友人や、コーチングなどの専門家のかたであれば、悩み事や愚痴を受け入れて壁打ちにつきあってくれるかもしれません。でも、そうではない知り合いや同僚に聞いてもらっても、場合によってはその相手にノイズが移ってしまうかもしれず、不毛です。でも、文章として書き出すことで、それらを昇華することができるんです。 田中 川島さんの本に、どんなに忙しくても書いてからでないと寝られない、明日にノイズを持ち越さない、とあります。 私は川島さんより長く生きていますが(笑)、最近ようやく、「誰かに話を聞いてもらう」よりも、「自分と対話する」ことが重要だと気づいたんです。自分のことは自分が一番知っているのですから。でも川島さんはすでに「自分と対話する」ことを実践されている。 川島 日記を書くと、頭の整理にも、感情の吐露にも、記録にもなる。「今日すべきことができたか」を確認する手段にもなる。一度でいろいろなことができてしまう。日記というのは、ずっと昔からある、素晴らしい文化ですよね。 何より、書くと楽しいんです。たとえば、誰かに何か言われてムッとしたとします。でも、あらためて文章にしてみると、「あれ、自分は何に腹を立てていたのだろう。ばかみたいだな」と思えます。 自身の生産性を上げるための方法論を探すことが好きなのですが、いろいろ試した中で、日記はたまたま自分に合っていました。ルーティン化して毎日、同じことを継続するのは、自分にとっては苦ではないんです。 田中 たしかに言語化すると、一歩引いて、状況を捉えることができますね。そして、自分が目指す高次の目的を思い出させてくれます。 川島 現代のような恵まれた時代に社会活動をしていれば、 マズローの欲求5段階説の3段階くらいまでの欲求はすでに満たされています。でも、より高次の段階へは、ノイズは取り除かないと進めないでしょうから。 田中 川島さんは、「アイドルになる」という夢も、「本を出す」という夢も、かなえていますが、「夢をかなえるために一番大切なこと」って、何だと思いますか?