「プライオリティ・パス」だけじゃない!クレカの改悪…見逃せない「旅」関連の‶しれっと″変更の中身
クレカの【旅行保険】、「自動付帯」から「利用付帯」が急増
クレジットカードには、海外旅行や国内旅行の「旅行保険」が最初から付帯しているのが一般的だ。 例えば、三井住友カード(NL)の場合、旅行傷害保険として最高2000万円が付帯する。このカードの年会費は永年無料で、付帯分も無料。加えて、海外でけがをしたり病気になったりした場合、三井住友海上の「緊急アシスタンスサービス」(24時間365日、日本語対応)も利用可能だ。これらは海外旅行保険で、国内旅行保険は三井住友カード(NL)だと付帯していない。 旅行保険は、もちろん別途加入することもできる。しかし、クレジットカードの付帯分でも十分な場合もあり、特に、年会費が高額なほど補償内容が手厚い。近年、年会費無料のクレジットカードが増える中、普通カードでは補償内容が手薄になる傾向も見られる。 また、カード付帯の旅行保険は、以前は「自動付帯」と呼ばれる、そのカードを保有しているだけで保険を使うことができるサービスが普通だった。しかし今は、その旅行での航空券代やツアー代金をそのカードで支払った場合にのみ適用される「利用付帯」への変更が近年相次ぐ。 エポスカード、アメリカン・エキスプレス・カード、セゾンカード、オリコカード、JCBカードなどがここ数年で、自動付帯から利用付帯へ変更となった。※一部ブランドは自動付帯のままの場合もあり また、年会費無料の楽天カードは以前から利用付帯だったが、以前は日本出国前の「公共交通機関利用」、もしくは「募集型企画旅行(いわゆるツアー)の料金」を楽天カードで支払うと保険の補償が受けられた。だが’20年10月、「募集型企画旅行の支払いのみ適用」に変更され、しかも航空券のみの料金の支払いなどでは適用外。 さらに’22年6月、現地での盗難などで適用される「携行品損害」も補償対象から除外された。 もちろん、それぞれの変更時にはお知らせメール等で告知はされているが、見逃している場合も多いと思うので、旅行のプランを立てる時に必ずチェックしたい。 ◆海外利用分の【海外事務処理手数料】の引き上げ クレジットカードの改悪は、ほかにもある。交通系ICカードのチャージがポイント付与対象外となる事態が数年前に大手カード会社を中心に広がった。 また、三井住友カードは’24年11月1日から、海外で利用した支払いの「海外事務処理手数料」を現行の2.20%から3.63%に引き上げることをこのほど発表し、他社の追随も気になるところだ。 前出の松岡さんによると、 「競争力維持のためにポイント還元率の1%は死守しなければならず、それ以外の特典の改悪は全てあり得ます」 という。どのカード会社も、利用者獲得に余念がないのは昔も今も変わらない。物価高や人手不足などでの年会費や手数料などの負担増、サービス削減などは致し方ない部分もある。 だが、あくまでルールから逸脱こそしていないとはいえ、常識を超えた利用を繰り返したユーザーが一部にいたのも事実。その旨がカード会社の公式サイトに掲載までされるのは異例と言えるだろう。避けられない改悪、一方で利用マナーにも気を付けたいところだ。 取材・文・写真:シカマアキ
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