「プライオリティ・パス」だけじゃない!クレカの改悪…見逃せない「旅」関連の‶しれっと″変更の中身
なぜ「改悪」が相次ぐのか……?
「そもそも、日本のクレジットカードは特典が多すぎたということもあります」 そう言うのは、マネーライターでクレジットカード事情に詳しい松岡賢治氏。 【なるほど…!】ロシアにはできない…プーチンが「JCB」を羨んだ本当の理由 「ゴールドカードでも年会費無料のカードが登場する中、カード会社の主な収益源は加盟店での買い物や食事等で発生する加盟店手数料になりました。しかし、その手数料も電子マネーやQRコード決済の台頭で、その昔は3%台だったものが、今は2%台になっているようです。 各社競争力を維持するため、ポイント還元率は下げられないので、他の特典を縮小するしかない流れになっています」 特に、旅行は、クレジットカードとの関連性が深い。ホテルや航空券などは金額が大きいため、クレジットカードで支払う人も実際多い。数多のクレジットカードがある中で、旅行関連のサービスを手厚くするカード会社も少なくない中、旅行関連の改悪は旅行者にとって大きな痛手となることもある。 ◆相次ぐ【プライオリティ・パス】のルール変更。その理由が…… 直近、旅行者の間で特に話題なのが、国内外の空港にあるラウンジや飲食店舗などを利用できる「プライオリティ・パス」の利用ルールの変更だ。 プライオリティ・パスは、一部の上級カードにサービスとして付く。特に、年会費1万1000円の楽天プレミアムカードが有名で、プライオリティ・パスが特典として付けられ、回数無制限で利用できた。 しかし、’25年1月より、プライオリティ・パスの無料利用回数を「年5回」に制限し、6回目の利用から有料(35米ドル=約5000円)となることが、’23年11月に発表された。筆者も長年、プライオリティ・パスのために楽天プレミアムカードを保有してきたが、正直痛手である。 また、’24年9月初め、JCBと三菱UFJニコスもプライオリティ・パスのサービス内容の変更を相次いで発表した。JCBは、同年10月31日よりプライオリティ・パスの利用を、国内ではラウンジ施設のみとして食事などを提供するレストランは対象外(海外は従来通り)に変更。三菱UFJニコスは同年10月1日より空港ラウンジのみに限定し、飲食店舗などでの利用は料金が発生する可能性があるとした。 三菱UFJニコスの公式サイトに、サービス変更と同時に意味深な文言が掲載された。「昨今、空港における飲食店舗やリフレッシュ施設等でのプライオリティ・パスのご利用が大変増加しております。それに伴い、本サービスに関連するコストが増加しており、本サービス自体のご提供を続けることができなくなるおそれがございます」とのこと。しかも、サービス変更の発表から1ヵ月あまりでのメッセージ掲載に「相当ひっ迫しているのでは」とのうわさも広がった。